Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

役者達を理解することで、どのように作品を感じているか気づける…『コントラ KONTORA』アンシュル・チョウハン監督に聞く!

2021年6月4日

宝のありかを示す祖父の日記を見つけた女子高生が不思議な体験をしていく様子を、印象的なモノクロ映像や独特な世界観で描く『コントラ KONTORA』が6月5日(土)より関西の劇場でも公開。今回、アンシュル・チョウハン監督にインタビューを行った。

 

映画『コントラ KONTORA』は、インド出身で日本在住のアンシュル・チョウハン監督が、日本の田舎町を舞台にモノクロ映像で撮りあげたファンタジックな人間ドラマ。女子高生のソラは父と2人で暮らしているが、父子関係は冷え切っていた。ある日、急死した祖父が遺した第2次世界大戦中の日記を見つけた彼女は、その中に宝の存在を示す記述を発見し、密かに宝探しを始める。時を同じくして、ソラの住む町に、無言で後ろ向きに歩くホームレスの男が現れる。ソラの父が男を車で轢いたことをきっかけに、ソラと男の不思議な交流が始まる。主演は『タイトル、拒絶』の円井わんさん。エストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でグランプリと最優秀音楽賞、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭の国内コンペティション長編部門で優秀作品賞を受賞した。

 

日本の映画監督では、小津安二郎監督や黒澤明監督が好きなチョウハン監督。小津監督にはシンプルな映画の画作り、黒澤監督には異彩を放つ魅力に敬意を表している。本作では、1カット長回しの手法が有名なタル・ベーラ監督からの影響があることを明かすが「本作では、時間と予算がなかったことが大きい。様々なアングルから撮影すると、時間もお金もかかる。10日間で撮影しており、編集は限られた素材から映画を作るしかなかった」と打ち明けた。なお、ロケハンの際に画は決めて撮影後のイメージを思い描いており「イメージにどれだけ到達できるか」と取り組んでいる。

 

本作を描くにあたり、田舎で何もすることがなく飽きてしまった女子高生を主人公に設定。近年の日本映画で沢山描かれているような、恋愛を好みキラキラしたような青春の描写は避け「敢えて女子高校生に設定して、歴史を顧みることに焦点を置きたかった」と説く。今作の制作以前に円井わんさんに出会ったことが印象深く、魅力を感じて主人公に起用している。また、各キャストとの関係性を築くことを大切にしており「どのようにしてキャスティングを行い対話していくか。彼等に会った時には『作品に合う役になってくれるだろう』と予感していた。彼等を理解することで、撮影中でも、どのように作品を感じているか気づける」と持論を展開。結果的に、撮影現場では「監督の意図を理解してもらっている。」と実感でき「役者の皆さんが素晴らしい」と称えた。

 

出来上がった作品は、世界各国の映画祭で披露され、日本でも3月から劇場公開されているが「正直に云えば、まだ完成に至っていない。本作を作り、もう一度観ていると、改善点が見えてくる。納得できていない部分に対して完成していない」と告白。2年かけて本作と向き合ってきたが「ずっと編集してきた。もう少し撮影日数があれば…」と思ってしまう時もあり「次は、完璧と思える映画を作りたい、という思いが強くなっています」と話す。現在、短編映画を制作しているが「今後、日本でもう一度だけ長編映画を作る可能性もあります。また、日本以外の国で英語を用いた作品を作りたい」と新たな意欲は留まらない。

 

映画『コントラ KONTORA』は、6月5日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。また、京都・出町柳の出町座や神戸・元町の元町映画館でも近日公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts