駆け出しのフォトグラファーと読者モデルの関係を描くラブストーリー『猿楽町で会いましょう』がいよいよ劇場公開!
(C)2019オフィスクレッシェンド
渋谷の猿楽町を舞台に、純朴そうだが実は嘘だらけの女の子と、新前カメラマンの恋愛を描く『猿楽町で会いましょう』が6月4日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『猿楽町で会いましょう』は、駆け出しのフォトグラファーと読者モデルの関係を軸にした物語。鳴かず飛ばずの写真家・小山田と読者モデルのユカ。2人は次第に距離を縮めていくが、ユカは小山田に体を許そうとはしなかった。そんな中、小山田が撮影した彼女の写真が2人の運命を大きく変えることになる。
本作は、第2回未完成映画予告編大賞MI-CANでグランプリを受賞した児山隆監督が、受賞作を長編監督デビュー作として映画化。『劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD』の金子大地さんが小山田役、『イソップの思うつぼ』『左様なら』の石川瑠華さんがユカ役を演じるほか、栁俊太郎さん、小西桜子さん、前野健太さんらが脇を固める。
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映画『猿楽町で会いましょう』は、6月4日(金)より、京都・出町柳の出町座、大阪・難波のなんばパークスシネマ、神戸のOSシネマズ神戸ハーバーランドやイオンシネマをはじめ全国の劇場で公開。また、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田でも近日公開予定。
自分らしい色や個性を見出せないカメラマンの男と読者モデルの女が恋に落ち、少しずつ彩りが生まれていく過程が自然な雰囲気で切り取られていく。どのシーンも透明感のある写真のように美しく、愛し合う2人がいかに特別であるかを物語る。『愛がなんだ』や『花束みたいな恋をした』に連なるほろ苦くも共感を誘う恋愛模様が繰り広げられる予感を感じさせられてしまう。
しかし、この予感はいい意味で裏切られる。読者モデルがついていたある嘘がきっかけとなり、彼女の過去が明らかにされていく。華やか理想が待っていると思っていたのに現実はとても過酷で世知辛い。そして、彼女は虚栄や嫉妬に取り憑かれて精神的に不安定になっていく。そんな彼女を男達は利用し、使い捨てられるしかない。彼女と付き合うカメラマンですら初対面ではお持ち帰りを狙って強引なキスをするような男だ。2人の応酬からは刹那を切り取った透明感のある美しい画からは想像できない欲望や愛憎が浮かび上がる。何者にもなれずに足掻く金子大地さんと石川瑠華さんの体当たりな演技も素晴らしかった。
愛する人に交わした言葉は別れた誰かの受け売りかもしれないし、愛する人の裏側には目を背けたくなるようなものが隠されているかもしれない…フィクションで描かれる甘い恋や永遠の愛なんてない、と言い切るようなドロドロとした愛憎劇は、きっと賛否両論になるだろう。この物語に共鳴するのか、それとも一蹴するのか。是非観てみてほしい。
fromマリオン
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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