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ライブ配信中に乗客を巻き込む恐怖!狂気のドライバー描く『スプリー』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年5月6日

(C)2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

 

SNSでスターになりたい青年が、注目を浴びるためおぞましい生配信を繰り返す様を描く『スプリー』が5月7日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『スプリー』は、SNSの恐怖と不条理を描いた新感覚スリラー。ライドシェアドライバーのカート・カンクルはフォロワーを増やしたい一心であるアイデアを思いつく。それは乗客を手にかけ、その様子をライブストリーミングで配信するというとんでもないものだった。カートはSNSをバズらせて人生の一発逆転をもくろむが、「フェイクだ」「退屈だ」と、反応は散々なもので、まったく盛り上がる気配がない。思惑がはずれたカートの怒りの矛先は乗客にとどまらず、拡散させないインフルエンサーにまで向けられていく。

 

本作は、Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のジョー・キーリーが主演。主人公のカートに立ち向かうコメディアンを「サタデー・ナイト・ライブ」のサシーア・ザメイタが演じるほか、デビッド・アークエット、ミーシャ・バートン、ララ・ケント、フランキー・グランデらが顔をそろえる。ウクライナ出身の新鋭ユージーン・コトリャレンコが監督・脚本を担当し、サンダンス映画祭で脚光を浴び、全米ランキング9位に輝いた。

 

(C)2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

 

映画『スプリー』は、5月7日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。また、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田と心斎橋のシネマート心斎橋、堺のMOVIX堺、兵庫・尼崎のMOVIXあまがさきでも公開予定。

 

ライドシェアドライバーが人気者になりたいために何でもやってしまった…!フォロワー数を上げるためなら命がけ。自身の命だけでなく乗客の命さえも。なぜ最初から、これほどまでに狂気のドライバーになってしまったのか。どれほどぶっ飛んだ映像を流しても、周囲は嫌気がさすのか「フェイクだ」「退屈だ」の応酬しかない。承認欲求はこれどまでに人間を狂わせてしまうのか。見事なまでにスリラーとして成立させた監督の技量に畏れ入ってしまう。

 

なお、ライドシェアの乗客は多種多様。主人公が最終的に行いたいことはたった一つであり、相手は選ばないはず。だが、どこか相手の特徴を見極めている。白人至上主義者には行動を正すようにアドバイスをしたり、女性軽視発言をする男に対しては降りるように命じたり。酷いことをしでかそうとしている人間が何故そんな発言をするのか。狂気じみた人間ではあるのだが、どこか真面目な一面を醸し出す。だからこそ、人気が出ないんだろうか。突き抜けた人間だけが上昇していけるのか、と考察してしまう。ならば、この主人公は哀れな存在に思え、憎めないのか。本作の締め方に安心してしまってよいのか、SNS全盛時代の現在において一石を投じたと思えば興味深い一作である。

 

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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