鹿児島県薩摩川内市で400年以上続く“川内大綱引き”を取り巻く愛の物語『大綱引の恋』がいよいよ劇場公開!
(C)2020映画「大綱引の恋」フィルムパートナーズ
鹿児島県を舞台に、35歳で独身の男と韓国人女性研修医との恋愛模様を伝統行事である川内大綱引を通して描く『大綱引の恋』が5月7日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『大綱引の恋』は、鹿児島で400年以上の伝統を誇る川内大綱引を軸に、主人公の恋愛と彼の家族の姿を描く。35歳独身で奥手の有馬武志は、鳶の親方で大綱引の師匠でもある父の寛志から、早く嫁をもらって、しっかりとした跡継ぎになれとうるさく言われていた。ある日、ふとした事件から韓国人研修医ジヒョンと出会った武志は、ジヒョンと次第に心を通わせるようになる。その頃有馬家では、母の文子が定年退職を宣言し、家事を放棄したため、家族たちが頭を悩ませていた。年に一度の一大行事である大綱引が迫る中、武志はジヒョンから2週間後に帰国すると告げられる。
本作は、「半落ち」「陽はまた昇る」など数々の作品を手がけ、2020年3月に急逝した佐々部清監督の遺作。主人公の武志を三浦貴大さん、韓国人研修医のジヒョンを知英さんがそれぞれ演じ、比嘉愛未さん、石野真子さん、松本若菜さん、中村優一さん、西田聖志郎さん、朝加真由美さん、升毅さんらが顔をそろえる。
(C)2020映画「大綱引の恋」フィルムパートナーズ
映画『大綱引の恋』は、5月7日(金)より全国の劇場で公開。関西近隣では、滋賀のイオンシネマ近江八幡、奈良のユナイテッド・シネマ橿原とイオンシネマ西大和で公開。
川内大綱引、本作を通して初めて知った。400年以上の歴史がある独特のルールがある大綱引である。上方と下方に分かれて、4つの部隊で構成され、両軍合わせて3,000名の人達が2時間に渡って激闘を繰り広げていく。まさに壮観たる戦と云えようか。とはいえ、それぞれの参加者には家族や恋人がいて、皆に人生のドラマがある。本作では、その中でも重要な一番太鼓の役割を担った主人公の家族を中心にして描かれていく。
作中の大綱引は、実際の本番映像と共に、役者達と集めたエキストラによって再現している。エキストラの皆さんは6日前に本番を戦った方々であり、実際のぶつかり合いと変わらない熱気を以て挑んでおり、他の映画からの追随を許さないかのような力の入れよう。俳優達もその熱気によって、さらなる迫真の演技を見せていく。そして、主人公をめぐる物語は、石野真子さん演じるお母さんが鍵となって展開していく。まさに、主題歌であるAIさんの「Story」のごとく、家族や恋人に関する愛の物語を描いている。本作が佐々部清監督の遺作となるのが惜しい一作となってしまった。
- キネ坊主
- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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