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人間嫌いな古生物学者と裕福な化石収集家の妻が惹かれ合う『アンモナイトの目覚め』がいよいよ劇場公開!

2021年4月4日

(C)The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019

 

1840年代のイギリス南西部を舞台に、実在した古生物学者の女性が紡ぐ同性愛を、美しい映像や音楽と共に描く『アンモナイトの目覚め』が4月9日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『アンモナイトの目覚め』は、19世紀イギリスを舞台に、異なる境遇の2人の女性が化石を通じてひかれあう姿を描いたドラマ。1840年代、イギリス南西部の海沿いの町ライム・レジス。人間嫌いの古生物学者メアリー・アニングは、世間とのつながりを絶ち、ひとりこの町で暮らしている。かつて彼女の発掘した化石が大発見として世間をにぎわせ、大英博物館に展示されたが、女性であるメアリーの名はすぐに世の中から忘れ去られた。今は土産物用のアンモナイトを発掘し、細々と生計を立てている彼女は、ひょんなことから裕福な化石収集家の妻シャーロットを数週間預かることになる。美しく可憐で、何もかもが正反対のシャーロットにいら立ち、冷たく突き放すメアリー。しかし、自分とあまりにかけ離れたシャーロットに、メアリーは次第にひかれていく。

 

本作では、実在した女性古生物学者メアリーをケイト・ウィンスレット、シャーロットをシアーシャ・ローナンが演じる。監督は初長編作『ゴッズ・オウン・カントリー』で、ひかれあう2人の青年の姿を繊細に描いて注目されたフランシス・リー。2020年の第73回カンヌ国際映画祭(新型コロナウイルス感染拡大のため通常開催を見送り)のオフィシャルセレクション作品である。

 

(C)The British Film Institute, The British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited 2019

 

映画『アンモナイトの目覚め』は、4月9日(金)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OS、4月16日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

日本でも、熱心なファンの力によって劇場公開された『ゴッズ・オウン・カントリー』のフランシス・リー監督。男性同士の友情と愛を美しい風景と共に描いた作品だったが、本作は、女性同士の人間愛を捉え、切なき心の痛みと恍惚を繊細に美しく描いている。

 

本作の主人公、メアリー・アニングは実在の人物。化石に対する情熱を以て作り得た栄光が、時代の風潮によって無きことにされていく当時の価値観を映し出す。故に孤独を愛さざるを得なかった彼女の姿を2020年代を迎えた今こそ伝える意義は大いにある。されど、メアリーの前に現れたのは、流産のショックから戻れずにいるシャーロット。自身と正反対な存在であるが、故に惹かれてしまう。ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンが夫々メアリーとシャーロットを演じているが、20歳近く離れた女優同士によって代役を一切使うことなく表現されている。なお、本作は、物語の感情が噓偽りなく描かれるように、時系列に沿って撮影された。2人の感情が揺れ動いていく様子が丁寧に描かれており、”アンモナイト”が意図するもの、それが”目覚め”るとはどういうことなのか、自然と気づかされていく。自らの経験をベースとしながらも、現代に伝えるべき過去の出来事を独自の視点を以て丁寧に描いていくフランシス・リー監督の作品は今後も見逃せない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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