だから今やるのさ!94歳の老女が歩んだスクールライフを映した『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』が関西の劇場でもいよいよ公開!
(C)Ladybirds Cinema
94歳から小学校に通い出した老女の苦労と奮闘を見つめる『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』が、2021年1月1日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』は、命がけで学校に通うケニアの子どもたちの姿を描いた『世界の果ての通学路』のパスカル・プリッソン監督が、同じケニアで今度は小学校に通う94歳のゴゴ(おばあちゃん)を追ったドキュメンタリー。3人の子ども、22人の孫、52人のひ孫に恵まれ、ケニアの小さな村で助産師として暮らしてきたプリシラ・ステナイ。幼少期に勉強を許されずに、教育の大切さを痛感していた彼女は、学齢期を迎えたひ孫たちが学校に通っていないことに気づき、周囲を説得して6人のひ孫たちとともに小学校に入学する。他の小学生たちと同じように寄宿舎で寝起きし、制服を着て授業を受ける。耳はすっかり遠くなり、目の具合も悪い中での勉強一筋縄で行くものではなかった。しかし、苦労しながら勉強に励んだ彼女は、助産師として自分が取り上げた教師やクラスメイトたちに応援されながら、念願の卒業試験に挑む。
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映画『GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生』は、関西では2021年1月1日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、京都・出町柳の出町座、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
外国の映画やドラマでは、幼少期に学校へ通う機会がなく大人になって改めて試験を受けるシーンを見る時がある。日本でも夜間中学等で再び学びの場に挑む大人の姿をドキュメンタリー作品等で見かけてきた。とはいえ、本作のように94歳の老女が小学校で学び卒業試験に挑む姿は見た覚えがない。人生、いくつになっても学べる、とは云うが、ゴゴは耳がすっかり遠くなり、目の具合も悪い中でも学ぼうとする姿を見せられたら、自分にはまだいくらでも可能性がある、と教えられているように感じてしまう。
とはいえ、94歳の方が教室の中にいる。周りの児童や先生も最初は戸惑うことがあっただろう。だが、この状況を受け入れてしまえば、誰もがゴゴと楽しく学びの時間を過ごしていく。子供達にとって本質的には年齢は関係ない。同じ高さの目線で椅子に座って机に向かい学んでいる。教師にとっても同じだ。ゴゴに厳しく接しなければいけない時だってある。心を鬼にして立ち向かっているように感じても、他の児童と同じように愛情を持って接していた。最終的に皆が無事に卒教試験に合格してほしい気持ちは同じである。他の小学校には入学を断られても、ゴゴを受け入れた校長先生の思いには胸を掴まれた。敬意を以て接し、ゴゴが諦めようとしていたことにも出来る限りの力を尽くしていく。ゴゴがアクションを起こしていくことで周りの皆が動き出し変化していった。実りある人生にするための勇気と希望を与えてくれる本作をどうぞ劇場でご堪能あれ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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