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感動する音を届けたい…!『音響ハウス Melody-Go-Round』相原裕美監督に聞く!

2020年11月19日

2019年に創立45周年を迎えた日本を代表するレコーディングスタジオ、音響ハウスの歴史を振り返るドキュメンタリー『音響ハウス Melody-Go-Round』が関西の劇場でも11月20日(金)より公開。今回、相原裕美監督にインタビューを行った。

 

映画『音響ハウス Melody-Go-Round』は、1970~80年代に勃興したシティ・ポップの総本山として近年再注目を集める東京・銀座のレコーディングスタジオ「音響ハウス」にスポットを当てたドキュメンタリー。1974年12月に設立された同スタジオは、原音を忠実に録音できる環境を常に提供することで国内外のアーティストたちから愛され、数々の名曲・名盤が生み出されてきた。YMO時代から同スタジオで試行錯誤を繰り返してきた坂本龍一さんをはじめ、松任谷由実さん、松任谷正隆さん、佐野元春さん、ヴァン・ヘイレンのデビッド・リー・ロスさんら多彩な顔ぶれのアーティストが、同スタジオとの出会いや思い入れ、楽曲の誕生秘話を語る。当時のプロデューサーやエンジニアにもカメラを向け、シティ・ポップがどのように形作られてきたのかを描く。さらに、ギタリストの佐橋佳幸さんとレコーディングエンジニアの飯尾芳史さんが発起人となり、大貫妙子さん、葉加瀬太郎さんらゆかりのアーティストたちが参加した本作のためのコラボ曲「Melody-Go-Round」のレコーディングにも密着。企画・監督は『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』の相原裕美さん。

 

『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』の試写に現在の音響ハウス社長である高根護康さんが観に来ており「ウチでもなにか撮ってほしい」と依頼された相原監督。音響ハウスは、レコード会社のスタジオではないため、マスターテープがなく、ミュージシャンの写真もない。1975年から携わっているメンテナンスエンジニアの遠藤誠さんは、レコーディングスタジオ業界では有名で「遠藤さんを主題にして、20分程度の音響ハウスのPR動画を作りましょう」と制作を決めた。さらに、音響ハウスが好きなレコーディングエンジニアの飯尾芳史さんに話すと、興味を持ってもらい、音響ハウスが大好きなギタリストの佐橋佳幸さんを連れてきてもらい話しているうちに「一曲作りましょう」と盛り上がり、20分では収まりない映画の制作となっていく。

 

音響ハウスについて、相原監督は「真面目なスタジオ」だと捉えている。「スタジオ機材がしっかりしている。メンテナンスは遠藤さんがしっかりしており、古い機材だけでなく、新しい機材にも対応出来る。昔からあるスタジオなので、落ち着いてレコーディングが出来る」と理解しており「新しいスタジオより使い慣れたスタジオの方がプレイしやすく、様々な試みが出来る」と信頼度が高い。2つのスタジオがあり「楽器に合わせて、1スタは響きが長く2スタは響きがあまり長くないので、使い分けている」と多様なレコーディングが可能だ。

 

撮影は7ヶ月にも渡った。楽曲のレコーディングには1週間を要している。基本的に、レコーディングスタジオでは、本番衆力時にはカメラは入れない。緊張感が張り詰めたスタジオでは、最小限のカメラマンが入室し、残りは固定カメラで撮影しており、コントロールルームは、4台の固定カメラがある中で、相原監督が自ら手持ちのカメラを回している。なお、撮影素材は全て文字起こしを実施し、原稿から編集作業を行っており「映像だけで編集すると大変、文字起こしした方が早い。必要な箇所を抽出して、編集マンに繋いでもらう。そして、違和感がある箇所を直したり順番を変えたりしていく」と説く。構成のつながりを意識した編集を行っており「ブスッブスッと切れるより、繋がりがある編集をしている」と解説した。

 

完成した本作は、インタビューを中心とした構成になっており、2chによる音声で収録。本編最後には、完成したコラボ曲「Melody-Go-Round」が流され「最後の楽曲はサラウンドなんですよ。世界観が変わる。映像プラス音楽で感動してもらいたい」と期待している。レコード会社の出身の相原監督は、音楽映像に関する仕事に長年携わっており「次も音楽映像関連になるだろう」と語っており、今後も知られざる音楽に関するドキュメンタリーが制作されることを楽しみにしたい。

 

映画『音響ハウス Melody-Go-Round』は、関西では11月20日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、12月11日(金)より兵庫・豊岡の豊岡劇場、12月18日(金)より京都・烏丸の京都シネマで公開。また、神戸・元町の元町映画館でも近日公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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