Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

ポーランドで発禁となった迫害される少年描く小説を映画化!『異端の鳥』がいよいよ劇場公開!

2020年10月7日

(C)2019 ALL RIGHTS RESERVED SILVER SCREEN CESKA TELEVIZE EDUARD & MILADA KUCERA DIRECTORY FILMS ROZHLAS A TELEVIZIA SLOVENSKA CERTICON GROUP INNOGY PUBRES RICHARD KAUCKY

 

ナチスから逃れるためひとりで疎開した少年が、幾度も迫害されながらも、たくましく生きる姿を映し出す『異端の鳥』が、10月9日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『異端の鳥』は、ナチスのホロコーストから逃れるために田舎に疎開した少年が差別に抗いながら強く生き抜く姿と、ごく普通の人々が異物である少年を徹底的に攻撃する姿を描いた作品。東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である1人暮らしの叔母が病死して行き場を失い、たった1人で旅に出ることに。行く先々で彼を異物とみなす人間たちからひどい仕打ちを受けながらも、なんとか生き延びようと必死でもがき続けるが…

 

本作は、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した小説を原作に、チェコ出身のバーツラフ・マルホウル監督が11年の歳月をかけて映像化。新人俳優ペトル・コラールが主演を務め、ステラン・スカルスガルド、ハーベイ・カイテルらベテラン俳優陣が脇を固める。2019年の第32回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門では「ペインテッド・バード」のタイトルで上映。第76回ベネチア国際映画祭でユニセフ賞を受賞した。

 

(C)2019 ALL RIGHTS RESERVED SILVER SCREEN CESKA TELEVIZE EDUARD & MILADA KUCERA DIRECTORY FILMS ROZHLAS A TELEVIZIA SLOVENSKA CERTICON GROUP INNOGY PUBRES RICHARD KAUCKY

 

映画『異端の鳥』は、10月9日(金)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマ、、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、兵庫・西宮のTOHOシネマズ西宮OSをはじめ全国の劇場で公開。

 

シネマスコープの画郭いっぱいに広がる、モノクロームの映像が美しい。行く当てのない主人公の「少年」が、流れ着く先々で出会う村人たちは残酷で、ときに目を覆いたくなるような虐待を受ける。誰しもが必死に生きて、そしていつ命を失ってもおかしくない、という意味で平等な命の軽さ。そんな中でわずかに登場する「少年」に優しくしてくれる人物たちがたまらなく魅力的だ。今回は色情老人でもおとぼけ教授でもない兵士、ステラン・スカルスガルド。迷える者に慈しみを惜しまない神父、ハーヴェイ・カイテル。そしてワンヒット・ワンキルの凄腕狙撃兵、バリー・ペッパー!次第に顔つきが変わってゆくように見える「少年」だが、撮影に2年をかけて彼が実際に年齢を重ねて成長していく姿を追った、というのだから納得だ。タイトルの「鳥」のほか、暗喩のように次々と登場する動物たちは壮絶な扱いを受けるが、エンドロールで「この映画の製作にあたって、動物たちは一切傷つけられていません」とテロップで保証されているので安心してよいようだ。そして、この映画を観た誰しもの心に残るだろう、優しく包み込むような歌声のエンディング曲が美しい。泣いた。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts