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「絶景かな」は頭脳警察の「What A Wonderful World」だ…!『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』PANTAさんを迎え舞台挨拶開催!

2020年8月29日

PANTAとTOSHIにより結成され、50周年を機に若い世代のメンバーが加入したロックバンド “頭脳警察“を題材にしたドキュメンタリー『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』が、8月29日(土)より関西の劇場で公開中。初日には、大阪・十三の第七藝術劇場にPANTAさんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』は、1969年の結成から50周年を迎えたロック界のレジェンド「頭脳警察」の足跡を追ったドキュメンタリー。PANTAとTOSHIによる「頭脳警察」。彼らは政治的な歌詞などから発売禁止や放送禁止になるなど、自身の表現のためにさまざまなタブーにも臆することなく音楽活動を展開した。そんな「頭脳警察」と同時代を歩んできた者、彼らの背中を追う者、あらゆる世代の証言とともに、「頭脳警察」の過去と現在を検証。「頭脳警察」を通して日本のカウンターカルチャーとサブカルチャーの歴史を浮かび上がらせていく。
頭脳警察のほか、“頭脳警察50周年バンド”へ新たに参加する澤竜次さん(黒猫チェルシー)、宮田岳さん(黒猫チェルシー)、樋口素之助さん、おおくぼけいさん(アーバンギャルド)が出演。また、加藤登紀子さん、山本直樹さん、大槻ケンヂさん、宮藤官九郎さん、ROLLYさん、切通理作さん、浦沢直樹さん、春風亭昇太さん、足立正生さん、鈴木慶一さん、高嶋政宏さんらも登場。『大阪ニセ夜間金庫事件』の末永賢さんが監督・編集・撮影を担当した。

 

上映後にPANTAさんが登壇。頭脳警察の曲調とは違う和やかなPANTAの姿を垣間見れる舞台挨拶となった。

 

2018年、横浜の赤レンガ倉庫で開催されたLIVEからカメラが回り始めた本作。2009年に瀬々敬久監督による5時間14分の3部構成にわたる頭脳警察のドキュメンタリーが公開されたが「別のアプローチで頭脳警察の50周年のドキュメントを撮りたい」という企画により撮影が始まっている。日常生活の中にカメラがある日々となり、PANTAさんは「カメラに追われているというより、普通にカメラが回っている。ドライブレコーダーと一緒の感じじゃないですか」と冷静に話す。その中で、特に印象に残っている出来事として「ギターの澤竜次が酔っぱらった勢いで熱く俺とTOSHIを語ってくれるわけですよ。その時、宮田が『暑苦しいよ』って。この一言で吹き出して。実に頭脳警察を言い表しているかな」というエピソードを挙げ「政治を語る、世界平和を語る。様々な方がいらっしゃいますけど、そこを頭脳警察で言い表してほしいな、という希望があります。そこを上手く一言で言い表してくれたのがベースの宮田君。この映画の最大のトピック」解説する。

 

今回、50周年の記念バンドとして1990年代生まれで40歳も年齢が低いメンバーと組んだ。PANTAさんは、偶然にも澤竜次さんと宮田岳さんのLIVEを観ていたことがあり「お互いが知らされていない中で、これから頭脳警察をやることになった。リハーサルルームに来て、初めて『お、お前もやるのか』とお互いを知った」と明かし「黒猫チェルシーが活動休止になっている。澤竜次と宮田岳が所属していた事務所を辞めており、このちょうどいいタイミングがなかったら、頭脳警察のオファーは出来ていない。神戸のVARITで黒猫チェルシーが活動休止になっているんだから、いつかVARITで頭脳警察としてやりたいね」と話しており、10月に配信も含めてLIVEの開催を考えている。樋口素之助さんは、元々は騒音寺のドラマーであり、騒音寺とのジョイントイベントで「騒音警察」として共演しており「騒音寺を抜けて東京で活動していた。その時に澤竜次と宮田岳が来ていたので、3人で組ませた」と説く。おおくぼけいさんは、PANTAさんも仲の良いアーバンギャルドのピアニストで「とにかくキレが良い、閃きが良い、素晴らしい!これから配信が続いていきますが、是非彼の鍵盤のプレイ魅了されてほしい」とお薦めしていく。

 

1969年にTOSHIさんと頭脳警察を結成し50年を経て、PANTAさんはTOSHIさんに対して「何もありませんね」と言いながらも「とにかく彼は自由な男ですから。音楽的なリズムや音程の縛りとは無関係に生きていますから。そういうお互いのいいところを掴んでいてあげないと長くは続けられないな」と力説。「昔はお互いに言っていました。リズムについて強く言ったら、『俺は機械じゃねぇんだよ』『機械じゃなくとも限度があるぞ』と当時を振り返り「そこで、フリーミュージックに進んでいって、友川カズキや三上寛や遠藤賢司と共演していった。一度、遠藤賢司が泣きついてきて『PANTA、TOSHIが俺の云ったことを守ってくれないんだよ』『お前が言うか。お互いだろ、それは』」と懐かしのエピソードを語っていく。

 

昨年は、50周年記念盤『乱破』をリリース。乱破は、忍者の俗称の一つ。昨年公開された映画『下忍 赤い影』で、PANTAさんは徳川の密命を受ける伊賀の統領を演じており「自分の先祖を辿っているような感覚を持ちながら撮影していた」と振り返る。『乱破』の制作後に「映画のエンドロール楽曲を書いてくれ」と受け「”世界革命戦争宣言”みたいなイントロで始まる”絶景かな”を書いたんですね。これは、石川五右衛門が南禅寺で叫ぶ『絶景かな、絶景かな』という言葉を引用して作った曲です」と解説。さらに「二十歳ぐらいの頃、ルイ・アームストロングが歌う”What A Wonderful World”が大好きで」と話し「彼がベトナム戦線に出ていく若い兵士達に満面の笑みで歌います。兵士達の半数以上は帰ってこれない。何の変哲もない歌を歌う彼の気持ちはどうなんだろう。この素晴らしい歌を唄える価値のある人間になれていたらいいんだよなぁ、という思いが漠然としてあった。そんな時、自分が還暦を過ぎて今や古希を迎えてしまいましたけれども、「絶景かな」を書いてレコーディングして数週間経ってから、これは「What A Wonderful World」だと思った時、鳥肌が立つぐらい自分で感動してしまった」と告白。「嬉しくて嬉しくて『そうか、俺が”What A Wonderful World”を書いたんだ」と感慨深く「おおくぼけいが『まずはこれをLIVEでやりましょう』と。この前にやったけど、改めて凄い歌詞だと気づき、LIVEで”What A Wonderful World”、”絶景かな”、”さようなら世界夫人よ”で締めさせてもらった。末永監督にエンドロール曲を依頼され深く御礼を言いたい」と伝えていく。

 

現在の状況下、音楽業界も大変であるが「全世界が同じスタートラインに立っている。何をやっても正解の時、誰がぶち壊して飛び出してくる奴がいる」とPANTAさんは前向きだ。「”歴史から飛びだせ”という曲を書きましたけども、50周年を過ぎて、成層圏を飛び出して無重力状態にいるような自由な気持ちに包まれています」と語り「何をやってもいいんだ。何でもできるんだ、という自由な時。今はラブソングを歌っても誰も文句を言わないだろう。不買運動も起きないだろう。昔は『PANTAを殺して俺も死ぬ』なんていう不届き者がいましたけれども、今は自由な気持ちで、やりたかったことに対していっぱい挑戦していきたいな」と古希を迎えた今の気持ちを表す。改めて、本作について「ロックを知らなくても音楽に興味がなくても、このドキュメンタリーは楽しめる。初心者向けのとても楽しい映画になっています。自分が何回観ていても楽しい」と述べ「2年間も撮りためた映像を100分の中に収めた末永監督に感謝しています。孫みたいな世代と一緒にやっていますけども、色んな人に観てもらいたい気持ちでいっぱいです」と思いを込めていった。

 

映画『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』は、関西では大阪・十三の第七藝術劇場で公開中。また、京都・九条の京都みなみ会館、神戸・元町の元町映画館でも近日公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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