伝説の歌手から届いた1通のメール…“大人になりきれない”男女3人が新しい人生に踏み出せるか…『15年後のラブソング』がいよいよ劇場公開!
(C)2018 LAMF JN, Ltd. All rights reserved.
遠く海を隔てたふたつの町を舞台に、3人の大人による不思議な三角関係を描き出す『15年後のラブソング』が、6月12日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『15年後のラブソング』は、“大人になりきれない”男女3人の物語。イギリスの港町サンドクリフ。博物館で働く30代後半の女性アニーは、長年一緒に暮らす腐れ縁の恋人ダンカンと平穏な毎日を送っていた。そんなある日、彼女のもとに1通のメールが届く。送り主はダンカンが心酔するミュージシャンで、1990年代に表舞台から姿を消した伝説のロックスター、タッカー・クロウだった。
本作は、『アバウト・ア・ボーイ』『ハイ・フィデリティ』などで知られるイギリスの人気作家ニック・ホーンビィの同名小説を実写映画化。伝説のミュージシャンを『恋人までの距離』のイーサン・ホーク、ヒロインのアニーを『ピーターラビット』シリーズのローズ・バーン、アニーの恋人ダンカンを『ソウルガールズ』のクリス・オダウドがそれぞれ演じる。
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映画『15年後のラブソング』は、6月12日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸をはじめ全国の劇場で公開。
ローズ・バーンの可愛らしさが全開の秀作である。アクションやコメディの大作で見かけることが多かった俳優だが、本作の主人公アニーは意外な程の当たり役だ。いい年をして大人げない大人たちのラブロマンス物語の本作は、アラフォーの女性とアラフィフの男性が出会って、ある種の浮気のような状況から始まる。これだけなら過去の作品にもあったかもしれないシチュエーションだが、ローズ・バーンの細やかな演技と表情、そしてそれをとらえる演出が小気味よい。
これって良くないことよね、と思いつつも相手とメールのやりとりを重ねる様子、初デートの待ち合わせとその後の展開、ダメダメで空気の読めない「こんな男のどこが良かったの?」という恋人にそれでも怒らずに接する姿。彼女がものすごく誠実な人間であることをほんの一瞬の描写で丁寧に描きつつも、すべては説明しない抑えめの的確な演出。だが、観客には伝わって「私にはあなたがとても良い人だって、わかってるから!」と応援したくなることまでを狙ったかのような、ちょうどよい踏み込み具合に構成されている。
こう終わってほしいな、という期待のど真ん中のコースなラストシーンも清々しい、気持ちの良い作品だ。
fromNZ2.0@エヌゼット
どこにでもいそうな主人公とロックスターとの…って、王道ストーリーをと思いきや一癖、二癖、捻りの効いた物語。二人が出会うきっかけのシーンを観て、音楽や映画に限らず、受け手であるファンは、作り手の想いのすべてを、もちろん知ることはできないが、現代はSNSなどを通じて自由に感想を発信していくことができる。それが良い意味でも、悪い意味でも本人に届くこともある…と少し考えさせられた。
ロマンティックと言えば、そうなのかも知れないが、若い頃の様なキラキラといったモノでは決してなく、大人になって、一歩踏み出すのにも躊躇して…と距離感やその曖昧さに”アジ”を感じられるような作品。劇中のロックスターはニール・ヤングに少しデヴィッド・ボウイを混ぜたようなテイスト。本当に存在するかも知れない妙なリアルさと、キンクスの名曲が歌われるので、音楽好きは思わずニヤけてしまうかも!笑サントラも耳馴染みの良い楽曲が詰まった心地の良い逸品でした!
from関西キネマ倶楽部
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!