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伊達に7年は無駄じゃなかった…!『音楽』岩井澤建治監督と大橋裕之さんを迎え舞台挨拶開催!

2020年2月22日

楽器を触ったこともないのに、思いつきでバンドを組むことになった不良学生たちの姿を描く『音楽』が2月21日(金)より関西の劇場でも公開。2月22日(土)には、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田に、岩井澤建治監督と原作者の大橋裕之さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『音楽』は、俳優としても活躍する漫画家の大橋裕之による「音楽と漫画」をアニメ化。楽器も触ったことがない不良学生たちが思いつきでバンドをスタートさせるロック漫画を、岩井澤健治監督が実写の動きをトレースする「ロトスコープ」という手法で7年の時間をかけて映像化。4万枚以上の作画を手描きし、ダイナミックな映像表現のためにクライマックスの野外フェスシーンでは、実際にステージを組んでミュージシャンや観客を動員してライブを敢行するなど、これまでのアニメ作品にはないさまざまな手法が取り入れられている。ミュージシャンの坂本慎太郎さんのほか、駒井蓮さん、前野朋哉さん、芹澤興人さん、平岩紙さん、竹中直人さん、岡村靖幸さんらが声優として参加。

 

上映後、岩井澤建治監督と大橋裕之さんが登壇。来阪自体が初めての岩井澤監督は関西弁を聞いて和んでいる。大橋さんは出版イベントや似顔絵等で来ており、馴染んでいた。ようやく大阪での公開を迎え、岩井澤監督は「大阪は映画が盛り上がる場所だと聞いていたので、やっと公開出来て良かったです」と一安心。大橋さんもSNSでの反応を楽しみにしている。

 

これまで短編作品を数本制作していた岩井澤監督は長編アニメーションの制作・劇場公開を目標にしていた。大橋さんの短編作品「山」を9分程度のアニメーションとして制作しており、次こそ長編をやりたいと考えた時に「大橋さんの代表作と云えば、『』が尺的には短いですが、少し肉付けして長編で出来るかな」と気づき、7年ががりで制作していく。大橋さんは、以前から岩井澤監督とは知り合いだった。同じバイトをしたことがあったり、近所に住んでいたこともあったりする。ある日、電話がかかってきて「」をアニメにしたいと云われ、素直に嬉しくて「是非!」とお願いしたが「音はどうするんだろうな」と最初は不安が募っていく。音について、当初は想定していかった岩井澤監督は「実写映画の監督さんも『』の映像化を実現したい。でも、音を表現出来ない」と聞いており、同様に考えていた。そこで「音は自分で作らない」と開き直り、「画を先に作れば自ずと音はついて来るでしょう」と考え直していく。なお、原作を読んだ時から映像化したい思いがあり、キャラクターの作り込みについて「やはり森田のキャラクターは様々な要素を加えるポイントがある。アニメ化すると決まった瞬間、森田のキャラクターを膨らませて、演出等も含め、僕がやりたいことを全て盛り込もう」と意気込み「森田が主役のようにもなりました」と実感している。

 

7年以上かけて4万枚以上の画を描き、岩井澤監督は「心はずっと小さく折れ続けていた」と告白。だが「完成させる以外の選択はなかった。何年かかっても完成させよう」と決意した。実際は、沢山のスタッフの方の協力も受けながら制作しており「心が折れそうな時や大変な時は助けてくれる方が現れてどうにか駆け抜けて完成までいけましたね」と振り返る。なお、頻繁に大橋さんとも相談しており「大橋さんは原作者ですが、僕の中では総監督の立ち位置です」と頭が上がらない。音に関しては、2人にとって共通の知り合いである伴瀬朝彦さんが手掛けており、長年のファンである大橋さんは「最初の音も仮の音だったんですが、そのまま採用された。仮として聴いていたが、7年も続いたので、自然に馴染んだ」とお気に入り。岩井澤監督も「叩き台としての音があれば、イメージが出来る。とりあえず録った音だったが、これが一番良いんじゃないかな」と取り入れている。完成した作品を観た大橋さんは「百点満点以上」だと感じているが「原作は感覚的にはパッと考えてパッと書いたのでアニメの方が本物みたいな気持ちになっています。僕のはプロットです」と遠慮がち。岩井澤監督は「映画館で観て初めて完成するとしたら、実はまだ僕は映画館で観ていないんですよ」と打ち明け「でも、観ると色々と気になっちゃって…まだ観れないなぁ」と正直に話す。

 

現役のミュージシャンが声優を務めていることでも話題の本作。最初に、研二役について皆で相談していくなかで、大橋さんが「坂本慎太郎さんはどうだろう」と提案。「凄く良い!」と満場一致になり、坂本さんと交流があった大橋さんから相談していく。作中のフェスシーンは地元のバンドが出演しており、その音楽を坂本さんに何年も前から御願いしていたが「100%無理だ」と自覚した上で、ダメ元でお願いした。「『えぇっ』とビックリされて…出来かけてた動画を観てもらい、制作に7年かかっており皆の期待が高まっているを伝えていった」と当時を振り返り「坂本さんも断れなかった」と申し訳なさそうだ。岩井澤監督は、大橋さんの姿を見ながら「外堀を少しづつ埋めていくテクニックが上手いですよね」と称えながら「伊達に7年は無駄じゃなかった」と納得している。なお、岡村靖幸さんもとあるシーンで声優を務めているが、大橋さんも御願いしづらかったが、同様の手法を用いて、出演を承諾頂いている。

 

最後に、岩井澤監督は「この映画はインディーズ映画の中でも究極的に物凄く小さなところから始まりました。完成して公開して沢山の方に観て頂けてることが嬉しい」と素直な気持ちを伝えていく。また、本作を契機にして「インディーズの映画でもこんな挑戦が出来るという指針になって、この作品が盛り上がり、今後も新しく挑戦的な作品が次々に出てくればいいな。この映画が盛り上がることが映画業界全体を盛り上げることになるんじゃないかな」と期待している。大橋さんは「完成して良かったね、岩井澤さん」と一番にある気持ちを伝え「東京、名古屋と始まり、大阪の方々が早く観たいと仰って頂いていたので、無事に上映出来て本当に良かったです」と感謝の気持ちを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『音楽』は、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、京都・九条の京都みなみ会館、神戸・元町の元町映画館で公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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