“赤鬼先生”と嘗ての教え子との絆を描く『泣くな赤鬼』がいよいよ劇場公開!
(C)2019「泣くな赤鬼」製作委員会
高校野球部のベテラン鬼監督とかつての教え子の再会を、人間味を込めて情感豊かに描く『泣くな赤鬼』が、6月14日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『泣くな赤鬼』は、高校野球部で“赤鬼先生”と呼ばれていた教師と、余命半年のかつての教え子との絆が描かれる。日に焼けた赤い顔、鬼のような熱血指導から、かつては「赤鬼」と呼ばれていた城南工業野球部監督・小渕隆。しかし、甲子園出場の夢はかなうことなく、10年の歳月が流れた。あの頃のような野球への熱い思いは衰え、身体にもガタがきている50代の疲れた中年となった赤鬼は、診察を受けた病院でかつての教え子、斎藤智之=愛称ゴルゴと偶然再会する。類まれなる野球センスを持ちながら、努力もせずに途中で挫折し、高校を中退したゴルゴも、今では20代半ばとなり、妻と息子の3人で幸せな家庭を築く、一人前の大人に成長していた。しかし、ゴルゴが若くして末期がんにより余命半年であることを知った赤鬼は、ゴルゴのためにあることを企画する…
本作は、生徒と教師の絆を描いた重松清さんの短編小説を映画化。赤鬼役を堤真一さん、ゴルゴ役を柳楽優弥さん、ゴルゴの妻役を川栄李奈さんがそれぞれ演じる。監督は『キセキ あの日のソビト』の兼重淳さんが担った。
(C)2019「泣くな赤鬼」製作委員会
映画『泣くな赤鬼』は、6月14日(金)より全国の劇場で公開。
高校時代の私は、部活の顧問の先生を一番慕っていたなぁ。“赤鬼先生”のような人物ではなかったけど、身体のことや学業のことで部活を辞めようかどうしようか悩んだ時も真摯に聞いてくれた。聞くだけでなく、あえて突き放すこともして、自分の頭でよく考えるようにもしてくれたっけな。という慕っていた先生ほど卒業後は会いに行かず街中で会うこともない。教育実習の機会に再会したことはあったけど、その程度だ。担任の先生とは違う接し方で高校3年間の良き思い出になる先生だった。
本作におけるゴルゴとは違ったスタンスの私ではあるが、ゴルゴには共感できるところは少なくない。不器用ながらも何かに打ち込みたかった自分を鼓舞してくれる“赤鬼先生”のような人物が必要だ。また、逆に先生にとっては、生徒や部員がいてこそ、気づかされることがいくらでもある。嘗ての自分が生徒に言っていたことが現在の自身が出来ているのか。本作を大人が観ることで、自己を顧みる機会となる一作となるかもしれない。
最後に流れる竹原ピストルさんによる「おーい!おーい!!」は、自分が今どこにいるかをたずねてくる。まさに本作の内容にピッタリの曲で締め括った。さぁ、あなたはこれからどうしたい?
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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