実際の犯人も登場!大学生4人の強盗計画描く『アメリカン・アニマルズ』がいよいよ劇場公開!
(C)AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018
大学図書館から高価なヴィンテージ本を盗み出そうとする大学生の姿を描く『アメリカン・アニマルズ』が、5月17日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『アメリカン・アニマルズ』は、2004年に4人の大学生が時価1200万ドル(約12億円相当)のビンテージ本強奪を狙った窃盗事件を映画化。ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと焦がれていた。ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「レザボア・ドッグス」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れ……
本作では、エバン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソンの4人が犯人の大学生役で出演。監督は、ドキュメンタリー映画『The Imposter』で英国アカデミー賞最優秀デビュー賞を受賞したバート・レイトン。
(C)AI Film LLC/Channel Four Television Corporation/American Animal Pictures Limited 2018
映画『アメリカン・アニマルズ』は、5月17日(金)より全国の劇場で公開。
本作はとてもセンセーショナルで面白い。これがフィクションだったらどんなに愉快だったか。残念ながら実話だ。犯罪を映画化するにあたり納得出来ない部分も勿論ある。過去の大事件をドキュメンタリーにして再現しているが、他の映画とは異なる手法が施された。ドキュメンタリー×物語の融合。そこから生まれる新しさがある。いつの間にか(演者の)スペンサーの隣に現在のスペンサーが過去を悔いるように俯瞰していたり、カットが変わる間に次のセリフが被ったりと演出についてはこれまでの作品とは一線を画す。
図書館へ盗みを働く当日、(演者の)スペンサーが持つT・レックスの人形を叩く音が心臓の鼓動みたく、観ている側が固唾を飲んでしまった。準備を終え、車に乗り込む(演者の)4人。走り去る車を実在のスペンサーが眺める。まるで”後悔”を見つめるように車という過去を見ていたのが印象的だ。
犯行を計画したものの、現実は簡単にいく訳もなく、それでも一生懸命事態を遂行させようと必死にもがく。そこに犯行の迫真さを観客は目の当たりにすることだろう。利口じゃない人間の、考えることの浅はかさをしみじみと感じるようだった。愚かな行為がどんな結果を招くのか。取り返しがつくのか、つかないのか。実際に観て確認して欲しい。特に、バリー・コーガンは、心の中のわだかまりを持った演技をするのが上手い。純真に楽しめない”憂いさ”を持つ演技。決心のつけられない未成年さ独特の雰囲気を彼は持っている。
「特別な何かになりたかった。」そう彼らは反抗の理由を単純に告白する。なんて馬鹿らしい単純さだろう。涙がでるよ。
from君山
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!