同性愛の“矯正”を強いられた青年描く『ある少年の告白』がいよいよ劇場公開!
(C)2018 UNERASED FILM, INC.
同性愛に目覚めた青年とそんな彼を受け入れられない両親の姿を描き出す『ある少年の告白』が、4月19日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『ある少年の告白』は、ガラード・コンリーによる回想録を原作に、同性愛の“矯正”を強要された大学生ジャレッドの葛藤を描く。アメリカの田舎町で暮らす大学生のジャレッドは、牧師の父と母のひとり息子として何不自由なく育ってきた。そんなある日、彼はある出来事をきっかけに、自分は男性のことが好きだと気づく。両親は息子の告白を受け止めきれず、同性愛を「治す」という転向療法への参加を勧めるが、ジャレッドがそこで目にした口外禁止のプログラム内容は驚くべきものだった…
本作は、俳優ジョエル・エドガートンが『ザ・ギフト』に続いて手がけた監督第2作。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などの若手実力派俳優ルーカス・ヘッジズを主演に迎え、ジャレッドの両親役をラッセル・クロウとニコール・キッドマンが演じるほか、映画監督・俳優としてカリスマ的人気を誇るグザビエ・ドラン、シンガーソングライターのトロイ・シバン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーらが共演する。
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映画『ある少年の告白』は、4月19日(金)より、全国の劇場で公開。
本作は、同性愛だけに留まらず、キリスト教も扱ったセンシティブなテーマを持つ。 大半の時間がナーバスで、気分が上向きになる話ではない。最初から最後まで重苦しいが、それでも希望はある。劇中で起きていることは実話に基づいており、目をそらすことも出来ない。
威圧的な施設「ラブ・イン・アクション」で本当の男「リアルマン」になるために次々に与えられるチャレンジに精神をすり減らしていくジャレッドたち。神に認められるか(女性を求める男になるか)、認められないか(同性愛者のままか)。今は認められなくとも、再び認められるか。そもそも、神に自己を認められる必要があるのだろうか。本作を観ながらずっとそのことを考えていた。心が男性なら男性、女性なら女性だろうし、自由に行き来しても良いのではないか。本人が心から願っていないのに強制的にしても、悪化するだけだ。キリスト教に禁忌として同性愛が存在するということは、昔からキリスト教内にも同性愛の存在があったと云える。神も認知はしていたはずだ。
神は見えないのに生きている人間を簡単に否定できるのか? アート学生ゼイヴィアの「神は自分の中にいるよ。何もしないからそばにいて。」「神は君を打ち砕かない。」と静かにジャレッドを安心させるように、祈るかのように呟く言葉に心が締め付けられた。何もせず二人が横たわる。この関係は罪じゃない。心の清算なんてしないで。どうか心して観て欲しい。
from君山
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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