若者達が仕事や働くことについて自分自身を見つめていく…『きばいやんせ！私』武正晴監督、坂田聡さん、眼鏡太郎さんを迎え舞台挨拶開催！

2019年3月17日

日本本土最南端の鹿児島県肝属郡南大隅町の大自然を背景に、現地に入ったテレビウーマンが取材と地元民との交流を経て、人として大きく成長していく様がユーモアを交えながら描かれる『きばいやんせ！私』が全国の劇場で公開中。３月１７日（日）には、武正晴監督、坂田聡さん、眼鏡太郎さんを迎え、舞台挨拶が開催された。

映画『きばいやんせ！私』は、鹿児島県肝属郡南大隅町を舞台にしたヒューマンコメディ。東京での生活に疲弊し、将来を見失っていたアナウンサーの貴子は、彼女が幼少期を過ごしたことがある本土最南端の町、鹿児島県南大隅町での取材を命じられる。久しぶりに南大隅町の地に戻ってきた貴子だったが、いやいやながらの仕事は力が入らず、ぞんざいな取材を続けていた。しかし、町を盛り上げるために必死な役場の職員をはじめ、それぞれの立場で懸命に働く町の人びとと触れ合う中で、仕事との向き合い方、人間らしい生き方を考えるようになる。次第に元気を取り戻し始めた貴子は、本気で取材に取り込むようになり、アナウンサーとしてこの町の文化をしっかりと伝えることへのモチベーションを高めていく。
夏帆さんが主演を務め、『百円の恋』『嘘八百』の武正晴監督と脚本家の足立紳さんのコンビがタッグを組んだ。

上映後、武正晴監督と坂田聡さんが登壇。また、当初は登壇を予定していなかった眼鏡太郎さんがトランペットを吹きながらサプライズで登場した。

武監督作品にお世話になっている坂田さんは、監督について「毎回、撮影中は寝ないですね。いつ寝ているんだろう」と感心しており「助監督がやせ細っていくようなタフな現場をしっかり回している方です」と称える。だが、今回は太っていったスタッフもおり、眼さんが「芋焼酎が次から次へと出てきました」と漏らしていく。鹿児島県最南端での撮影だったので、坂田さんは「東京に簡単に帰れない。待機する時間もあり、食べていました」と告白した。

本作のクライマックスとなる、御崎祭りの撮影は１日で行われており、武監督は「祭りの時間と同じ行程で朝５時から日が暮れるまでギリギリで撮っていた」と明かす。「移動も含め時間がかかる中で撮影しているので、雨も降りドロドロになり、事故にならないようにしました」と振り返る。各撮影ポイントでエキストラの方が待機しており「祭りの中に入っていくようなスタイルだった。着いたら、おにぎりを頂いて食べながら撮影した」と懐かしんだ。岡山天音さんや太賀さんはフラフラになって撮影を終えていたが「天音君を労おうと会いに行ったらいなくて。東京に舞台挨拶で一旦帰って、翌日戻ってきた」と驚くばかり。坂田さんも「太賀君が大層な竿を持っていたが、僕には出来なかったですね。凄い体力ですね」と頭が上がらない。実際の御崎祭りでは交代しながら進めるが、太賀さんは一人でやり続けており、現地の方から「いい跡取りが出来た、来年また来てください」と言われる程に。武監督は「役者は撮影の為なら本当に出来てしまう。鹿児島弁も出来てしまう。短期間で稽古して出来てしまう俳優さんは凄いな」と絶賛した。

御崎祭りについて、武監督は「坂を下りていく場所は垂直に近い。なぜ神輿をあんな風に担がないといけないのか」と１３００年も続くやり方に疑問もあった。だが「降りていくところにある石や岩は、人が降りていくために昔の人が配置している。祭りを続けていく凄さがある」と気づいていく。どんな天気でも続けられており「撮影時に雨が降ってほしいな」と思っていたら、実際に雨が降り、そして止んだ。「俳優さん達は大変だった。雨でさらに重くなっていくなかで背負いながらやっていました。事故が無くて良かった」と労うばかり。

最後に、武監督は、本作について「御神輿・お祭り・伝統が映画のイメージではありますが、若者達が自分の仕事や働くことについて自分自身を見つめていく話にもなっています」と解説する。「作品を知ってほしい方々に広めて頂ければ、映画を作った甲斐があります。南大隅町の皆さんの力強い大らかな笑顔を胸に秘めてお帰りになって頂ければ」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

映画『きばいやんせ！私』は、全国の劇場で公開中。

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