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病に倒れた母と4人兄弟の人生描く『春江水暖~しゅんこうすいだん』が関西の劇場でもいよいよ公開!

2021年2月15日

(C)2019 Factory Gate Films All Rights Reserved

 

中国の杭州市・富陽区を舞台に、認知症の母を取り巻く4人兄弟の人生模様を描く『春江水暖~しゅんこうすいだん』が2月19日(金)より関西の劇場でも公開される。

 

映画『春江水暖~しゅんこうすいだん』は、大河・富春江が流れる街である富陽の美しい自然を背景に、変わりゆく中国社会の中で懸命に生きる大家族の四季を描いた人間ドラマ。再開発のただ中にある杭州市の富陽地区。顧家の家長である年老いた母の誕生日を祝うため、4人の息子や親戚たちが集まる。しかし祝宴の最中に母が脳卒中で倒れ、命は取り留めたものの認知症が進み、介護が必要になってしまう。飲食店を営む長男、漁師の次男、ダウン症の息子を男手ひとつで育てる三男、気ままな独身生活を楽しむ四男ら、息子たちは思いがけず、それぞれの人生に直面することになる。

 

本作は、中国のグー・シャオガン監督の長編デビュー作で、2019年の第72回カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品に選ばれた。日本でも2019年の第20回東京フィルメックスのコンペティション部門で審査員特別賞を受賞。チエン・ヨウファー、ワン・フォンジュエンらが出演した。

 

(C)2019 Factory Gate Films All Rights Reserved

 

映画『春江水暖~しゅんこうすいだん』は、2月19日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田と京都・烏丸の京都シネマで公開。また、3月13日(土)より神戸・元町の元町映画館でも公開。

中国新世代の監督による作品が近年では日本でも続々と公開されている。本作は、所謂古き良き時代の家族を描いた作品であり、台湾のエドワード・ヤン監督やホウ・シャオシェン監督が描いた作品にあるような移り変わっていく大国における市井の姿を描いているようにも感じた。それは、このグー・シャオガン監督が、自らの家族・親族・知人を中心にキャスティングしており、リアリティを伴った演技がなされており、移ろいゆく四季の中における家族の姿を存分に描いている。

 

四季があるように、本作では四兄弟それぞれの視点を大事にしていく。料理店を営む長男を以て人間の営みを描き、漁師の次男は街を俯瞰した視点で捉えている。博打打ちになった三男はアウトローなはぐれ者として疎外された者の視点、取り壊し現場で働く四男が時の流れを表す。まさに”絵巻映画”なるものを体現している。グー・シャオガン監督は、絵巻映画三部作の第一作であることを発表しており、今後の二作目や三作目で如何なる作品を作り上げていくのか今から楽しみで仕方がない。日本でも公開されることを心待ちにしておこう。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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