日本とシンガポールの食がつなぐ家族の愛を描く『家族のレシピ』がいよいよ劇場公開!
(C)Zhao Wei Films/Wild Orange Artists
日本とシンガポールのソウルフード、ラーメンとバクテーによってつながる国境を超えた家族の絆を描く『家族のレシピ』が、3月9日(土)より全国の劇場で公開される。
映画『家族のレシピ』は、日本とシンガポールのソウルフード、ラーメンと肉骨茶(バクテー)がつなぐ、国境を越えた家族愛が描かれる。群馬県高崎市でラーメン店を営む真人は、突然亡くなってしまった父の遺品から1冊の古いノートを見つける。そのノートには真人が10歳の時に亡くなったシンガポール人の母が書いた料理のレシピや写真などとともに、さまざまな思い出が込められていた。真人は忘れかけていた過去を埋めるためシンガポールへと旅立つ。シンガポール在住のフードブロガー・美樹のサポートにより、肉骨茶の店を営む叔父と再会を果たした真人は、これまで知ることのなかった家族の歴史と向き合うこととなる…
本作は、2016年のシンガポールと日本の外交関係樹立50周年を記念し制作。斎藤工さんが主人公の真人役、松田聖子さんが美樹役をそれぞれ演じる。監督は長編アニメ『TATSUMI マンガに革命を起こした男』を手がけたエリック・クーが務めた。
映画『家族のレシピ』は、3月9日(土)より、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマと心斎橋のシネマート心斎橋、神戸・三宮の神戸国際松竹、京都の京都シネマをはじめ、全国の劇場で公開。
シンガポール人の74%程度が華人(Chinese Singaporeans)であり、作中に登場する言語はマンダリン(中華人民共和国および中華民国の公用語)である。シンガポールを舞台にした映画だけど、まるで近年の中国映画のよう。一昨年、昨年と台湾を訪れた私にとっては、見覚えのある風景を観ているかのようだった。
肉骨茶(バクテー)は、ぶつ切りの豚あばら肉(皮付き)や内臓肉を、漢方薬に用いるスパイスと中国醤油で煮込んだ料理のこと。ラーメンと肉骨茶、そもそものルーツはともに中国であり、各国の文化に合わせて独自の進化を遂げてきた。言わばネオ日本食、ネオシンガポール料理とも表現できる。それら2つを組み合わせたラーメン・テーは抜群の美味しさを引き出しているだろう、ぜひ一度食べてみたい。
なお、肉骨茶には「茶」という漢字が入っているが、茶葉は含まれておらず。由来は、食後に必ずお茶を飲んだから「茶」がついた、という説もある。ならば、本作は、食後のお茶のごとく、じんわりと良さが伝わってくる一作として鑑賞後の余韻に浸れると云えようか。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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