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誰かの背中を後押しする応援歌に…『馬の骨』桐生コウジさん迎え舞台挨拶開催!

2018年12月22日

1989年から始まり一斉を風靡した音楽番組「イカ天」で名を馳せたバンド「」を主軸に広げられる『馬の骨』が12月22日(土)より大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。初日には、監督・脚本・出演を務めた桐生コウジさんを迎えて舞台挨拶が開催された。

 

映画『馬の骨』は、かつて音楽オーディション番組に出演した過去の栄光を忘れられない中年男性と平成生まれのアイドル歌手との奇妙な交流を描いた音楽コメディ。熊田はかつて放送された人気番組「三宅裕司のいかすバンド天国」に出場したバンド「馬の骨」のリーダーだったが、今は工事作業員として働く中年男になっていた。作業現場でトラブルを起こし解雇され、社員寮から追い出された熊田は、家賃1万5000円のシェアハウスに転がり込む。そこでシンガーソングライターを志しながらアイドル活動をするユカと出会った熊田にかつての輝いていた若き日々が去来し……。

 

上映後、リラックスした表情で穏やかに桐生監督が登壇。「他にも音楽映画が公開されている中で本作を選んで頂きありがとうございます」と御礼の挨拶で舞台挨拶は始まった。

 

本作品を観に来た若い世代の大半がイカ天の存在を知らないことを桐生監督は驚いており「『イカ天』は大阪では放送されていなかった、と先日知りました。『イカ天』が流行語大賞になるくらいだったので、ずっと全国区だと思ってました」と愕然。「三宅裕司のいかすバンド天国」出身バンドには「たま」「ビギン」「マルコシアス・バンプ」「フライング・キッズ」「人間椅子」「宮尾すすむと日本の社長」「マサ子さん」「カブキロックス」等があり、番組出演の翌日にはライブチケットが即売り切れになる程の影響があった。桐生さんは、バンド「馬の骨」のボーカルとして音楽活動を始めたが「俳優の道に進み、映画のプロデュースも始めた。自分はどっちに行きたいのか悩んでいた」と告白。自問自答の30年を振り返り「劇中の時間は、自問自答の時間でもある。熊田の『どこに向かおうか。この先が分からない』という気持ちは僕も同じ。答えが見つからず、本当にこれでいいのか」と迷いを抱えながら、本作に辿り着く。企画当初は自ら監督をする気持ちは全くなく、数名の監督にオファーしていたが「30年前の出来事やイカ天、曲の解釈を理解していないと難しい。監督に全て説明するより自分でやった方が一番早い」と、本作の監督に就いた経緯を説明する。

 

「イカ天」は、平成元年に始まった番組であり、平成がまもなく終わる今、桐生監督自身の中でも引きずっていた。当時を思い返し「馬の骨を解散した時点で、音楽やバンドに対して未練は一切無いつもりだった。でも、審査員特別賞受賞時の記念楯をなぜか大事に飾っていた。自分の思いを『イカ天』に込めたかった」と明かす。また、馬の骨というバンドに対し、対極的な立場として登場する地下アイドルについて「弾き語りの女性を出したい」という気持ちがあり「過去の自分に似ている存在として、30年前の状態を小島藤子さん演じるユカに投影させたかった」とありのままに語った。歌手になりたくて東京に出て来て頑張っているが、芽が出ず地下アイドルに惰性で参加している状態に対し「30年前の僕に似ている。少しでも上を目指そう、と必死に頑張っている部分は私自身にも勿論ありました。そのの居場所として、1人では成立しないグループ(地下アイドル)を作りました」と解説する。

 

先だって、関東での劇場公開時、「イカ天」のプロデューサーが映画館に観に来られ、今年10月開催のイカ天メンバーが集結する「イカ天30年記念スペシャル」コンサートに誘われた。桐生さんは「『あなたが必要なんです』と言われた。そこには、たまやフライング・キッズもマサ子さんもみんな出る」と期待して出演。盛り上がりを感じたが「当時の勢いが無くなっていた。それは非常に悲しい。というより、寂しく感じた」と複雑な気持ちに。だが、バンドを維持する原動力について「昔のパフォーマンスを今もブレずにやっていることが凄い」と讃える。たまの石川さんから「イカ天に出演して、時の人になっても、今は20人しかいないお客さんの前で演奏したり、野外の駐車場なんかでビニールケースを置いてその上でやったりしている。お金儲けで音楽をやっていたら30年間も続けていられない。それでも僕の好きな音楽は一個も変わらないし、ブレずにやっていられるのは自分の誇りがあるからだ」と聞き「今も現役で音楽活動している仲間がいる。バンドを解散して違う形で何かを表現するのもまた一つの方法。表現の仕方は様々にある」と力説。『馬の骨』を観たお客さんに向けて「イカ天を知らない世代の人達が行動を起こす一歩になれば嬉しい。誰かの背中を後押しする応援歌になってくれれば」と熱い思いを笑顔で伝えた。

 

映画『馬の骨』は、12月22日(土)より、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで公開。また、2019年1月5日(金)からは、神戸・元町の元町映画館でも公開予定。

from君山

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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