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夫が愛した男に惹かれる女の揺らぎ描いた『彼が愛したケーキ職人』がいよいよ関西の劇場で公開!

2018年12月5日

(C)All rights reserved to Laila Films Ltd. 2017

 

喪失の悲しみに暮れる男女が、ケーキ作りを通して親密になっていく姿を繊細なタッチで描き出した『彼が愛したケーキ職人』が、関西の劇場でも12月8日(土)より公開される。

 

映画『彼が愛したケーキ職人』は、同じ男性を愛した2人の男女の姿を描きいた作品。ベルリンのカフェで働くケーキ職人のトーマスと、イスラエルから出張でやって来る妻子あるなじみの客オーレンは、いつしか恋人関係へと発展していった。「また1ヶ月後に」と言って、オーレンは妻子に待つエルサレムへ帰っていったが、その後オーレンからの連絡は途絶えてしまう。オーレンは交通事故で亡くなっていた。エルサレムで夫の死亡手続きを済ませた妻のアナトは、休業していたカフェを再開させ、女手ひとつで息子を育てる多忙な毎日を送っていた。アナトのカフェに客としてトーマスがやってきた。職を探しているというトーマスにアナトは戸惑いながらも雇うことにするが……

 

本作は、イスラエルの若手監督オフィル・ラウル・グレイツァ監督による作品で、イスラエルのアカデミー賞といわれるオフィール賞で9部門にノミネートされたほか、国外の映画賞でも多数の映画賞を受賞した。

 

映画『彼が愛したケーキ職人』は、12月8日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田で公開。また、公開。また、12月15日(土)より京都・烏丸の京都シネマ、2019年1月4日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも公開予定。

月に一度しか会えない愛する人が、自分の知らない間に亡くなっていたら……。泣き叫ぶか?動揺するか?怒るか?はたまた嘆き悲しむだろうか。ドイツ・ベルリンで働く若きパティシエであるトーマスとイスラエルから仕事でドイツに来ているオーレンの二人が静かに交わす愛から物語は始まる。

 

長編デビューしたての監督とは思えないようなカット一つ一つの時の流れが愛おしい。次へと話を進めるのが勿体ないシーンの連続が丁寧に作品を作り上げた。 特殊な間合いの取り方をしており、それが観る者を惹きつけ、キャラクター達の感情を想像させてくれる。

 

本作はゲイを取り扱った映画ではあるが、ドイツ人とユダヤ教徒からなる歴史的背景や宗教観についても一石を投じる作品。 恋愛映画でありながら、これらの問題への取り扱いにも妥協しておらず。誰の考え方も決して間違っておらず、正解がなく曖昧だが、観る人に委ねる道徳観が素晴らしい。大切に抱きしめておきたい映画だ。 鑑賞後、お気に入りのケーキを買って、味わいながら余韻にひたりたい。

from君山

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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