「クリスマス・キャロル」の誕生秘話とチャールズ・ディケンズの心の旅を描く『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起した男~』がいよいよ全国の劇場で公開!
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イギリスの文豪チャールズ・ディケンズを主人公に、いかにして「クリスマス・キャロル」の物語が生まれたのか、その創作過程と彼の心の旅を描いたファンタジー『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』が、全国の劇場で11月30日(金)より公開される。
映画『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』は、イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」の誕生秘話を描いたファンタジードラマ。1843年、ヒット作を生み出すことができず、家族と貧乏生活を送っていた小説家チャールズ・ディケンズ。新作の執筆に没頭するディケンズは、小説の世界に没入し、現実と幻想の境界線が曖昧になっていく。のちに自身が生み出すこととなる「クリスマス・キャロル」に登場するスクルージらと出会い、隠された幼少期の記憶や実父との確執など、ディケンズ自身の問題と対峙していく…
本作では、ディケンズ役を『美女と野獣』のダン・スティーブンス、スクルージ役を名優クリストファー・プラマー、ディケンズの父親役をジョナサン・プライスがそれぞれ演じる。なお、日本語吹き替え版では、市村正親さんがスクルージ、ディケンズを小野大輔さん、ケイトを坂本真綾さんが声を当てた。
映画『Merry Christmas!~ロンドンに奇跡を起こした男~』は、11月30日(金)より大阪・梅田の梅田ブルク7をはじめ、全国の劇場でロードショー。
「イギリスの小説家チャールズ・ディケンズの代表作『クリスマス・キャロル』は、一種の時間ファンタジーものである」と評されることがある。現在・過去・未来の時の流れが描かれ、主人公が悲しい未来を変えられるかどうかがカギとなるお話だからだ。そして、この「クリスマス・キャロル」が誕生するまでを描いた本作もまた、少し不思議なファンタジー作品。
本作の中で、観客は二つの物語を目の当たりにする。小説の中の主人公スクルージという人物が生み出されてゆく過程と、ディケンズ自身の心が変化していく様子。金だけが心の拠り所で、人を信じられなくなってしまった孤独な老人と、創作に没頭するあまり、周りの大切な人たちを傷つけてしまっていることに気付くことができない小説家。二人の男たちの心の動きがリンクし、時には二人が会話しながら進むストーリーは、とてもユニークだ。
作中では、小説「クリスマス・キャロル」のラストシーンは語られないため、「クリスマス・キャロル」を未読でも、本作を鑑賞しても問題ない。むしろ作品鑑賞後、改めて小説を読んでほしい。スクルージの物語を読み進めながら、ディケンズがこの話を執筆するのに四苦八苦していた姿をきっと思い出す。様々なキャラクタが登場するシーン毎に「あぁ、この場面か!」と楽しくなってしまう。
本作の原題「The Man Who Invented Christmas」 の”invent” は「発明する、創案する」という意味があり「新しいものや概念、価値観を初めて生み出す」というニュアンスが含まれる。「いまどきキリストの生誕なんて誰も祝ってやしません」、「おおっぴらに寄付をたかる口実ができる日ですね」と、冒頭では会話が交わされ、当時のクリスマスが必ずしも人々が祝福する日ではなかったらしいことが語られる。そんなこの時代の価値観に、ディケンズが「クリスマス・キャロル」を世に送り出したことで、何が生み出され、人々にどんな変化を与えたのか。ぜひクリスマスの時期にこの映画を鑑賞して、見届けてほしい。
fromNZ2.0@エヌゼット
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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