目に見えない姿で生まれた青年と盲目の少女の恋を描くラブロマンス『エンジェル、見えない恋人』がいよいよ関西の劇場で公開!
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目に見えない存在として生まれた男の子と、盲目の少女に芽生えた小さな恋を描き出す『エンジェル、見えない恋人』が10月20日(土)より関西の劇場でも公開される。
映画『エンジェル、見えない恋人』は、目に見えない存在として生まれた青年と盲目の少女の愛の姿を描いたラブロマンス。パートナーの突然の失踪により、絶望を味わったルイーズは精神病院に収容され、誰に知られることなく、1人の男の子を出産する。エンジェルと名づけられたその子どもは、目に見えない存在であるという、特別な特性をもっていた。そんなエンジェルを、ルイーズは世間との接触を絶ち、施設の中で育てていった。そしてある日、エンジェルは盲目のマドレーヌという少女と出会う。目が見えないマドレーヌはエンジェルの秘密に気がつくことはなく、2人は次第に惹かれあい、愛を育んでいくが、ある時、マドレーヌが視力を取り戻すため目の手術を受けることになり……
本作の製作は「神様メール」「トト・ザ・ヒーロー」のジャコ・バン・ドルマル。監督は俳優としてドルマル作品などに出演し、多くのテレビシリーズなども手がけているハリー・クレフェン。。本作がデビュー作となるフルール・ジフリエが、盲目の少女を好演し、『シンドラーのリスト』などのエリナ・レーヴェンソンが共演する。
映画『エンジェル、見えない恋人』は、10月20日(土)より、大阪・梅田のテアトル梅田、京都・烏丸の京都シネマで公開。また、10月27日(土)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸でも公開。
このエンジェルという少年は何者なのだろう。冷静に考えれば、姿が全く見えない人間というのは実際にはありえないこと。だとすると、母親が生み出した幻想なのだろうか。あるいは、目が見えないマドレーヌが生み出した願望とも考えてもおもしろい。だが、母親が亡くなり、マドレーヌが遠くへ行ってしまうことにもなる。ならば、エンジェルという実体のないものは、何を象徴していると捉えるべきか。あるいは、物語に実体としては登場していない、イリュージョニスト(魔術師)である父親が残したものだとすると、父親の分身か生まれ変わりのようなものだと考えると、より一層にファンタジー性のある物語に仕上がっていくのではないか…と、考えながら本作を観てみることもおもしろい。不思議な設定によって構成されたボーイミーツガール・ストーリーにリアリティを以て観ることもできる一作となっている。
- キネ坊主
- 映画ライター
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- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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