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韓国の苛烈な大統領選を描いたポリティカルサスペンス『キングメーカー 大統領を作った男』がいよいよ劇場公開!

2022年8月10日

(C)2021 MegaboxJoongAng PLUS M & SEE AT FILM CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 

独裁政権の交代を願い、野党を支持する男が候補者の事務所を訪ね、票を得るためのアイデアを提案していく『キングメーカー 大統領を作った男』が、8月12日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『キングメーカー 大統領を作った男』は、韓国大統領選挙の裏側を描いたポリティカルサスペンス。1961年。韓国東北部の江原道で小さな薬局を営むソ・チャンデは、世の中を変えたいという思いから野党の新民党に所属するキム・ウンボムに肩入れし、ウンボムの選挙事務所を訪ねて、選挙に勝つための戦略を提案する。その結果、ウンボムは補欠選挙で初当選を果たし、1963年の国会議員選挙では地元で対立候補を破り、新進気鋭の議員として注目を集めるようになる。その後もチャンデは影の参謀として活躍するが、勝利のためには手段を選ばないチャンデに、理想家肌のウンボムは次第に理念の違いを感じるようになり…

 

本作は、韓国の名優ソル・ギョングと『パラサイト 半地下の家族』のイ・ソンギュンが共演し、第15代韓国大統領である金大中(キム・デジュン)と彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)の実話をベースに、生き馬の目を抜く苛烈な大統領選の裏側を描いた。キム・ウンボム役をソル・ギョング、ソ・チャンデ役をイ・ソンギュンが演じ、『名もなき野良犬の輪舞(ロンド)』のビョン・ソンヒョンがメガホンをとった。

 

(C)2021 MegaboxJoongAng PLUS M & SEE AT FILM CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画『キングメーカー 大統領を作った男』は、8月12日(金)より全国の劇場で公開。関西では、8月12日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋や京都・烏丸の京都シネマ、8月13日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。

古今東西、軍師という役回りの人物は、三国志の諸葛孔明や戦国時代の黒田官兵衛など、魅力的で人気のキャラクターだ。本作のソ・チャンデは、まさに現代の軍師として知的でピカレスクな魅力にあふれた人物である。犯罪スレスレどころか完全にアウトなネガティブキャンペーンの策略を畳み掛け、対立候補を陥れて次々と劣勢をひっくり返していく狡猾な手際は痛快で美しい。敵に回したくない男ナンバーワンであり、味方として絶大に頼れる最強のブレインだ。ソ・チャンデを演じるイ・ソンギュンの演技が素晴らしく、『パラサイト 半地下の家族』で演じたお金持ちお父さんの印象とは異なり、影のある「味方の悪役」を体現している。

 

日本で公開される韓国映画は本当にクオリティが高いものばかり。特に実際の出来事を元にした作品に関しては、もはや賛辞の言葉しか思い浮かばない。実話でありながら(本作はフィクションだが、モデルとなった人物や出来事は明言されている)、エンタメ性を十分に盛り込んだ緊迫感のあるドラマとして高い完成度を以て成立させている。ポリティカルな題材はタブー視されがちなのに果敢に大衆向けの作品として世に出していく社会性、そして実在の人物をリアリティたっぷりに演じ切るキャストの素晴らしさには脱帽だ。

 

本作も御多分に漏れず、韓国の歴史にある一側面を学びつつ、豪華キャストの演技合戦を堪能できる極上の娯楽作となっている。リーダーシップある指導者の姿や、不正を行う為政者を糾弾したい民衆の感情など、現在の我々にとって感情移入せずにはいられない要素も多い。ソル・ギョングの顔を見たくて鑑賞したとしても、期待を遥かに超える見応えある快作だ。

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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