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アラフォー女子による真剣なアイドルの姿はカッコいい!『ピンカートンに会いにいく』関西上映初日舞台挨拶開催!

2018年3月17日

アラフォーの売れない女優が20年前に所属していた伝説のアイドルグループ「ピンカートン」を再結成するために奔走するコメディ『ピンカートンに会いにいく』が3月17日(土)より関西の劇場で公開。関西公開初日には、坂下雄一郎監督、内田慈さん、岩野未知さんを迎え舞台挨拶が開催された。

 

映画『ピンカートンに会いにいく』は、再起をかけた大勝負に挑むアラフォー女性たちを描く。かつて存在した5人組アイドル「ピンカートン」。20年前にブレイクを目前にして突如解散してしまったこのグループのリーダーだった優子は、今も売れない女優をつづけていた。ある日、優子のもとにレコード会社の松本と名乗る男からピンカートン再結成の誘いの電話が入る。所属事務所もクビになり、崖っぷちに追い込まれた優子はこの再結成に再起をかけ、松本とともに元メンバーたちに会いに行く。しかし、メンバーの3人はすでに芸能界を引退し、一番人気だった葵の行方はわからないという厳しい現実が待っていた…

 

本作の上映後、坂下雄一郎監督、内田慈さん、岩野未知さんが登壇。内田さんは、先月、坂下監督と共に宣伝キャンペーンでシネ・リーブル梅田に来館し「凄い綺麗な劇場。上映している作品もおもしろく、また来れたのが嬉しいです」と挨拶。大阪芸術大学出身の坂下監督は「大阪にいる時によく観に来ていた劇場で上映して頂いて嬉しい」と感謝を伝えた。

 

今作の制作経緯について、坂下監督は「元々は、全然違う企画の原作ものをやる予定だったが、権利などの関係でダメになった。せっかくなので、オリジナルで作ってみることになり、ストックもなく、必死に考え捻り出しました」と明かす。

 

台本を初めて読んだ内田さんは「攻めている印象を受けました。日常生活で抱く負の感情は私の中にもあり、皆も思ったりするのでは」と真摯に人を描いた作品だと捉える。内田さんはこれまで何度も元アイドル役を演じており「インタビューで『何度も元アイドル役をやられていて、自身ではなぜだと思いますか?』とよく聞かれる。なぜ依頼が来るのか私にはさっぱりわからない。苦肉の策で『私が残念な感じがするんですかね』と応える」と学んだ。岩野さんは「まず男性がこの台本を書いたのがビックリ。女子が女子のことを言う。それを20代の男性が書かれていて、なに!?」と驚くと共に感心する。これを受け、坂下監督は「なぜかわらないです。必死に考えた結果です」と率直に応えた。

 

作中にある会議室のシーンは、内田さんも岩野さんも気に入っており「言いたい放題、楽しかったですね」と振り返る。内田さんは「作品は綿密に書かれた台詞通りにやっていますが、会議室での台詞はアドリブ」だと明かすと、岩野さんは「大変なのは田村君。男一人で纏めなきゃいけない。東京での舞台挨拶で彼は『段々と皆の声だけで誰が喋っているか分かるようになった』と言っており、相当私達が強かったんだな」と思い返す。内田さんも「子役の子達が『目を閉じていても解るぐらい、一人一人の個性が諄かった』と言っていたらしい」と告白する。

 

坂下監督について、内田さんは「凄い無口な方。舞台挨拶の機会に喋っている様子を拝見するようになりましたが、初対面の際、様々な切り口から話題を振っても、はいかいいえしか返ってこず、怒っているのか、見透かされていてバカだと思われているのかな」と当初は困惑。話していくと、優しい人だとわかり「台本を書いているので、人のことを信じて、映画に興味があって好きな人なんだな」と改めた。岩野さんは「撮影中は的確に指示を出して下さるので不安はない。だが、そもそも何を考えているのかわからない。物理的な指示は出して下さるので演技しやすい」と信頼する。

 

本作ではテンポの心地よい会話劇が繰り広げられる。内田さんは「本読みの段階で監督からは私達は捲し立てる指示を貰った」と思い返す。岩野さんは「台詞は何を言われても出てくるようにノイローゼのようにひたすら憶えた」と回顧する。これを受け、内田さんは「どんなに予習しても、いざとなると台詞が出てこない。未知さんは一切微動だにせず演じており、どういう台詞の覚え方をしているんだろう。私も負けちゃダメ」だと頑張った。

 

ダンスシーンが印象的に残る今作。内田さんは、ダンス未経験の岩野さんについて「最初は『やだー!!』と言っていたのに、最終的にノリノリでしたね。振付をうっかり忘れても、未知さんに聞けば分かる、大丈夫」と太鼓判。衣裳について、岩野さんは「テーブルクロスを用いて衣装さんが一着一着作って下さった。実は大人と子供が着回しなんです。怖いでしょ??」と明かす。内田さんは「私は青い衣装が着たかったんですが、白になっていた」と残念がるが、岩野さんは「私はオレンジ色が目立っていて、大屋政子さんみたいだな」と印象を持った。衣装づくりにあたり、坂下監督は「事前に衣装さんと打ち合わせし、一つの色を基調にシンプルに、二色程度で、よく見るとそれぞれ少し違うもの、とお願いしたらデザインが仕上がり修正する必要もなかった」と述べ「こんな感じになるんだ」と正直に感想を話す。

 

最後に、坂下監督から「この劇場で公開できて嬉しいです」と万巻の思いを伝える。岩野さんは感謝の気持ちを伝えると共に「これから他県にも少しずつ映画が広まっていくといいなと思っています。SNSでピンカートンを見つけるとすぐに、いいね!します」と宣言。内田さんは「部活をやっているかのように作品に取り組んでいます。皆が集まって一つのことをやるのは大変なこともありますが、楽しかった思い出が強く、出来上がった作品を大切に思っています」と本作への思いを伝える。また、公開されているダンス動画について「35歳の人達がお笑いではなく真剣にアイドルやっている姿は貴重かなと思うのでご覧頂けたら嬉しいです」とお願いすると共に、感謝を伝え、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『ピンカートンに会いにいく』は、3月17日(土)から、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で公開中。また、4月21日(土)からは京都・烏丸の京都シネマ、神戸・元町の元町映画館で近日公開予定。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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