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冨永昌敬監督がどうしても撮りたかった念願の一作!『素敵なダイナマイトスキャンダル』3月17日より関西の劇場で公開!

2018年3月16日

少年時代に母親が隣家の若い男とダイナマイト心中するという壮絶な過去を持ち、昭和の時代を彩るエロ&カルチャー雑誌の伝説的な編集長となった末井昭の自伝的エッセイを映画化した『素敵なダイナマイトスキャンダル』が3月17日(土)から公開。本公開に先駆け、2月13日(火)に大阪・梅田のテアトル梅田で主演の柄本佑さん、冨永昌敬監督、原作者の末井昭さんを迎え、舞台挨拶付大阪先行プレミア上映会が開催された。

 

映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』は実母がダイナマイト心中を図ったという強烈な体験を持つ雑誌編集者・末井昭の自伝的エッセイを映画化。母・富子が隣家の息子とダイナマイトで心中した末井青年。18歳で田舎を飛び出し、昼は工場勤務、夜はデザイン学校という生活から、看板会社への就職、そしてエロ雑誌の世界へと足を踏み入れる。表紙デザイン、レイアウト、取材、撮影、漫画と、あらゆる業務をこなしながら、編集長として「立て!男のエキサイト・マガジン」をキャッチフレーズに雑誌「NEW SELF」を創刊。カメラマンの荒木ら精鋭たちがメンバーとして集い、雑誌は軌道に乗るが、わいせつ文書販売容疑で発禁となってしまう…

 

大阪先行プレミア上映となった今回、東京でも一般のお客様には上映しておらず、ワールドプレミアとして世界初の劇場上映となった。満員御礼状態の中、上映後に柄本佑さん、冨永昌敬監督、末井昭さんが登壇。柄本さんは「一番最初に観て頂いたお客様の前で緊張しています」とぎごちなさを見せながら挨拶。冨永監督は、ワールドプレミアに驚きながら「何があっても映画化したかった念願の企画。何年もかかりましたが、今日を迎えられて本当に嬉しい」と感慨深い。末井さんは「7年前に映画化したいと冨永監督に言われました。一度はボツになったと思っていたが、3年ぐらい前に復活してやっと完成しました」と嬉しさを表現する。

 

末井昭さんの著書『素敵なダイナマイトスキャンダル』の映画化は、7年前、とあるトークショーのゲストに末井さんが呼ばれた時に遡る。当時の出来事について、末井さんは「喫煙所で煙草を吸っていたら、冨永監督がやってきた。いきなり『素敵なダイナマイトスキャンダル』を映画にしたいと仰ったので、『いいですよ』と答えた。まさか本当に映画になるとは思っていない。どうやって映画にするの」と飄々とした面持ちで話す。末井さんの役をオファーされた柄本さんは「最初に映画の企画を聞き、原作を読んだ。文庫本の表紙に女装された末井さんが載っており、俺と顔が似ているな」とキャスティングに納得する。

 

クランクイン前に柄本さんは末井さんの故郷を訪れた。先だって冨永監督が行かれたが、育った家があった場所に辿り着けず。冨永監督は末井さんに事後報告すると、詳細な地図を書いて頂き、佑君に託した。柄本さんは「気づけば様々な思いを背負っていた。クランクインまでの2週間に時間の余裕もあり、所以もあると感じ行くことにした。バスを降り、4Kmもある景色が変わらない一本道を歩いていった。着くのかなと不安になりながら生地を見つけた。その裏の山中に入り、お母さんのお墓も見つけ台本を供えて帰ってきました」と振り返る。その墓石の横側から亡くなった年と年齢を確認し、自分と同い年の頃だったことも判明し、感慨深い。末井さんも「よくお墓を見つけた」と感心する。

 

柄本さんは、本タイトルのごとく数々の女優と共演。前田敦子さんについて「私の弟と仲が良く、ご挨拶はしたことがあった。共演は初めて。前田さんの魅力は不思議。監督が”俺の敦ちゃん”にしたくなる。冨永監督も熱心だった」と感じ取った。これを受け、冨永監督は「登場シーンで、何かが憑依していた。昭和の女性を演じており、面白いことになると感じた。その後のシーンでも、表情の変化もあった」と答える。また、三浦透子さんについて、柄本さんは「今回初めて一緒に芝居をさせて頂いた。大胆な役を物怖じせず堂々と演じられるので、私も身を預けやすい。後ろ姿が頼もしく、一緒にやっていて楽しかった」とお気に入り。音楽家や文筆家等で知られれる菊池成孔さんは写真家の荒木さんとして出演したが、冨永監督は「本人のキャラクターそのままの役を演じている。でも、どこか荒木さんと似ている」と感じた。柄本さんも「挙動や発する言葉が、かなり似ている。菊池さんのアドリブが入っているが、リハーサルから発する言葉が荒木さんらしい」と不思議な感覚に。冨永監督は「成孔さんも写真時代の世代。相当な影響を受けている」とフォローした。

 

最後に、冨永監督は「絶対映画化する、と年月をかけてきた。沢山の方に観て頂いてこそ映画の完成だと思っています。この映画をどうしても作りたい思いを受けとめてくれた末井さん、佑君はじめ出演者・スタッフの皆さんに対して自分が先頭に立ってやっていきたい」と熱い想いを語る。柄本さんからは「監督の念願の一作に主役として関われ、時代のカリスマである末井さんを演じて光栄です。昨年の4月5日に撮影を終え、出来上がった作品を観たのが7月でした。以来、多くの時間を経過し、映画が再び動き始めます。何らかの感想を持って頂ける作品だと自負しております」と自信満々。末井さんより「本作は昭和最後の10年程を描いた作品。情報量が多く、繰り返して観ても飽きないUSJのよう。また観に来て頂いても大丈夫」と原作者が太鼓判を押し、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』は、3月17日(土)から、大阪・梅田のテアトル梅田、なんばのなんばパークスシネマ、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で関西の劇場で公開。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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