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『TOKYO CITY GIRL -2016-』大阪で上映開始 2日目舞台挨拶開催

2017年4月23日

4月22日(土)より大阪・十三のシアターセブンで、今、注目を浴びている映画女優と新進気鋭の若手監督がタッグを組み「東京で生きる少女達」の刹那を描く短編オムニバス映画シリーズの第2弾『TOKYO CITY GIRL -2016-』が上映されている。公開2日目には、高見こころさん、石黒丞子さん、浜名一聖さん、ただのあさのぶさん、山田能龍さんによる舞台挨拶が行われた。

映画『TOKYO CITY GIRL -2016-』は、東京で生きるごく普通の少女たちの姿を描く、若手監督と若手女優によるオムニバスムービー「TOKYO CITY GIRL」の第2弾。地方で生活をする少女が、出会いと別れを知って大人へと成長していく姿を描く「LOCAL→TOKYO」(主演:武田玲奈/監督:志真健太郎)、顔の見えない「あなた」の夢を毎日のように見る麻紀が、「あなた」の声に出会い、真実を知ることになる「あなたの記憶(こえ)を、私はまだ知らない。」(主演:高見こころ/監督:佐藤リョウ)、女同士でモテる女を罵る親友たちから、フィアンセがいることをひた隠しにしている看護師のマイが、なんとか辻褄を合わせようとする「幸せのつじつま」(主演:飯田祐真/監督:山田能龍)、子離れできない過保護で心配性な父親と、そんな父親から親離れできない娘を描いた「ひらり、いま。」(主演:増田有華/監督:澤口明宏)の4編で構成されている。

映画上映後に「幸せのつじつま」を監督した山田能龍さんによる司会で舞台挨拶が行われ、「あなたの記憶(こえ)を、私はまだ知らない。」に出演の高見こころさん、石黒丞子さん、「幸せのつじつま」に出演の浜名一聖さん、ただのあさのぶさんが登壇した。

まず、山田監督から高見さんに、「あなたの記憶(こえ)を、私はまだ知らない。」のヒロインを演じてみてどうだったか伺った。高見さんは「重い雰囲気の中でストーリーが進んでいくので、3日間の撮影でも大変だった。命がテーマになっているので、精神的にも終始重苦しく撮影に臨んでいた」と撮影当時を振り返る。とはいえ「相棒のゆかりを演じた入来さんのおかげで楽しく現場が進行していった」とも話す。共演した石黒さんは「映画の撮影現場自体が初めてで、何も知らなかった。順番通りに撮影し、それぞれのシーンを様々な方向から撮っていると思っていた」と明かす。実際は「思っていたのと違い、何回も同じシーンを撮った後に、全然違うシーンが次に撮られる。1日だけ参加してみても、監督の頭の中が凄いと思った」と感心していた。

山田監督は「幸せのつじつま」に出演した浜名さんとただのさんに撮影現場について伺った。浜名さんは「今思えば、短い撮影期間の中で、仲良く撮影できた」と話す。ただのさんも「短時間で撮影が終わった」と話すが、山田監督は「作中に登場する街コンシーンで、同じ種類の髪型と髭のある3人を集めた。3人目は素人の方だったが、あまりにもインパクトのある人だった。その場で構成し直し、ただのさんの役を急遽変更した」と撮影当時のエピソードを明かす。

逆に、ただのさんより山田監督に「幸せのつじつま」撮影時の印象に残ったエピソードについて訊いた。山田監督は「ヒロインの飯田祐真さんと共演者らが仲良くなっていた。飯田さんがウェディングドレスで登場した時に、共演のいとうあさこさんが号泣してしまった」と明かす。これには、撮影現場のオフショットを撮影していた高見さんもビックリしたようだ。また、山田監督は「撮影当初はコメディーで撮ったつもりが、結果的にヒューマンドラマになった」と振り返る。

ここで、お客さんからは、山田監督に対して、ショートフィルムを制作するにあたって時間の割振りやシミュレーションについて質問があった。山田監督は「最初に撮影プログラムを全て組んでいる。後は撮影現場で起こったことに寄り添っていき、編集時にズレを調整していく」と答えた。また、「幸せのつじつま」に登場するブーケトスのシーンにおける女優の表情について質問があった。山田監督は「台本のト書きでは、”室伏のようになる”とイメージで書いた。一つ一つのシーンをコメディーとして考えていたが、現場から生まれてきたものによってヒューマンドラマ性が強くなっていった。”思いよ届け”という真剣な気持ちでやってもらった。結果的に、アスリートのような顔だったのでOKにした」と明かす。

最後に、ただのさんから「私が関西出身でもあり、前作に続いて大阪に帰ってこれた。出演はわずかだったが、今後、別の作品でも舞台挨拶等でお会いできるように頑張る」とお客さんに伝えた。浜名さんは感謝するとともに「大阪で、東京を取り上げた映画がどういう風に感じるのか」と気になっている様子。これを受け、山田監督は「例えば、山陰の人の場合では、大阪に”上京”するイメージがある。大阪の方も東京側の視点で観ているのではないか」と応える。また「これは人生の縮図。居場所のないところに居場所を見つけに行く人たちの話なので、共感して観てもらえたのではないか」と述べた。今回、急遽舞台挨拶に登壇した石黒さんは「舞台挨拶の機会を頂き、本当に楽しかった。シアターセブンでの上映をよろしくお願いします」と伝える。高見さんは、これまでの活動を振り返り「関西で様々なことをやらせて頂いてきた。アイドルから始まり、芸人のような体当たりロケをやったり、ラジオDJをさせて頂いたりした。私個人においては、全てギリギリアウトでダメだった」と心境を述べる。それでも「そんな私を暖かい目で見守って支えてくれたのが関西の皆さん。ちゃんと女優として立っているのかと不安になる心境だが、こうして女優として帰ってこれたのが嬉しい。本作も様々な形で主人公たちが頑張って前に進んでいく話なので、頑張っている皆さんの背中を少しでも押している作品になっていたら嬉しい」と伝えた。山田監督は「小さな規模で上映している映画であるが、大阪の映画館に頑張っていただいて長期間上映してもらえることになった。少しでも皆さんの周りに伝えてもらえれば」とお客さんに託し、舞台挨拶を締め括った。

映画『TOKYO CITY GIRL -2016-』は、5月5日(金・祝)まで大阪・十三のシアターセブンで上映。4月24日(月)~4月28日(金)15時~17時、4月29日(土・祝)~5月5日(金・祝)17時20分~19時20分にて、料金は一般1,700円、シニア1,100円、専門・大学生1,200円、中学生・高校生1,000円、小学生以下700円、シアターセブン会員1,000円となっている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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