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田辺・弁慶映画祭セレクション2017!シネ・リーブル梅田で1週間限定開催!

2017年6月10日

第10回田辺・弁慶映画祭で受賞を果たした3人の若手新人監督にスポットをあてた特集上映『田辺・弁慶映画祭セレクション2017』が6月10日(土)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で開始された。

田辺・弁慶映画祭」は、2007年に第1回目を開催し、今年で第11回目を迎える映画祭。新人監督の作品を対象としており、映画有識者による審査だけでなく市民審査員も交えたコンペティションを実施している。過去の受賞者には 沖田修一監督や瀬田なつき監督、今泉力哉監督がおり、その後に商業映画デビューを果たしており、インディーズ映画の登竜門となる映画祭になっている。

今回、昨年の第10回田辺・弁慶映画祭で受賞を果たした3人の若手新人監督作品を特集上映する。なかなか観れる機会の少なかった作品など工夫を凝らしたラインナップによって構成されている。この機会に受賞作品に触れ、これからの日本映画に注目してみてはいかがだろうか。

上映に先立ち、田辺・弁慶映画祭実行委員会の方々にインタビューを行った。そもそも、本映画祭は、武蔵坊弁慶の出生の地が田辺市であるという伝説に由来する。開催のきっかけについて、事務局の岩見天志さんは「2006年に『幸福のスイッチ』と『海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ』の2つ作品が連続して田辺市内で撮影された。映画が完成し、2006年に上映会を開催したのが第0回の映画祭になる」と説明。「上映会をして良かったので、田辺市内でも映画に関する機運が高まってきた。町興しになるし、国や県から映画コンテンツで国内を盛り上げていく機運があり、映画祭に補助が出るタイミングで2007年に第1回を開催した」と経緯を話す。今年で11回目の開催となり、毎回のコンペティション部門は匆々たる審査員によって作品が審査されている。それは「『幸福のスイッチ』の時に東京テアトル担当の方と関りがあったことで、広がっていった」ことに由来する。コンペティション部門について「和歌山県や田辺市への注目を意識していない。1作品は関連した作品を上映できればいいと思っている」と話す。近年は期待の若手新人監督の作品が受賞していることで映画祭が注目を集めている。事務局としては「映画祭が徐々に知られてきた。そこから全国に向けて積極的にチラシを送るようになった。第5回あたりから応募作品数も増え、広まっていったと受け止めている。基本的にこれまで毎回関わっている掛尾良夫さんと沢村敏さんが中心に選考に関わっている。最前線で映画を観られている中で情報が入ってきており、田辺・弁慶映画祭らしい選考基準を以って作品を選んで頂いている」と感じている。

田辺市の魅力について事務局長の古久保宏幸さんは「温泉などの観光資源も多く、世界遺産の熊野古道がある街。田辺市の9割は森林で自然も残っている。特産品は梅、みかん。海に面しているので、魚介類も含め、食べ物が美味しい。また、『W世界遺産』の街でもある。一つは、世界文化遺産として「紀伊山地の霊場と参詣道」のひとつである「熊野古道」。また、2015年12月に世界農業遺産として、自然を守り共生しながら梅を生産する「みなべ・田辺の梅システム」が認定された。全国的にみても世界文化遺産と世界農業遺産があるのは田辺市ぐらいだ」と話す。

事務局としても田辺市の方々に向けて「映画祭の招待作品は地元の映画館で上映されなかった作品をなるべく選ぶようにしている。もちろんコンペティション部門も含め、お祭りとして地元の人にも来てほしい」と事務局の岩見さんさんは願っている。最近では受賞作品が田辺系と言われており「全国でどこまで通用するのかと思っているが、業界では知られているということで大変ありがたい。言い続けてきたら、形になってきた」と受け止めている。近年では同じ和歌山県で開催しているKisssh-Kissssssh映画祭とも協力し合っている。「開催1回目の頃から同じ和歌山県でやっているということで、繋がっている方もいた。最初は上映する作品を決めるにあたって、田辺・弁慶映画祭で賞を獲得した作品の上映希望があった。昨年からは初めてKisssh-Kissssssh映画祭で上映した作品を田辺・弁慶映画祭でも上映するようになった」と経緯を話す。「加太という港町で小さな会場にもプロジェクターとスクリーンを持ち込んで上映している。ふらっと遊びに来て会場間をぶらぶらと歩いて街歩きにつなげる部分は参考にしたい」と考えている。和歌山県内でも映画館は減少しており、現在はシネコンが残っているのみ。他府県に行かずに地元で作品を鑑賞できる映画祭の役割は大きいと感じる。

特集上映初日の上映前には事務局長の古久保さんより挨拶が行われた。「田辺・弁慶映画祭セレクション2017は、昨年11月に行われました第10回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門において受賞された監督に与えられる上映会です」と紹介。「本日はグランプリ作品の塚田万理奈監督による『空(カラ)の味』の上映となります。この作品は当映画祭でグランプリを受賞された後、全国紙やWeb媒体をはじめ多くのメディアで取り上げられています。インディーズ作品としては異例とも言えるメディア露出を果たした注目の作品です。当映画祭としても大変嬉しく思っておりますし、お客様に自信を以ってお届けする次第です」と期待も高まる。「1週間という短い時間ではありますが、他にも2名の受賞監督の作品を控えておりますので、何れもお見逃しのないように足を運んで頂けたらと思います」と推薦。「田辺・弁慶映画祭は例年11月に和歌山県の田辺市において開催しております。第11回となる今年は11月10日(金)から12日(日)までの3日間の開催となっております。和歌山県田辺市には世界遺産の熊野古道をはじめ、温泉、海や山、川、自然といった多くの観光資源、加えて梅やみかん、海産物、紀州備長炭といった特産品もございます。映画祭に限らずとも、ぜひとも和歌山県田辺市に訪れて頂きたい」と本年度の開催に期待を込めた。

田辺・弁慶映画祭セレクション2017』が6月10日(土)より6月16日まで大阪・梅田のシネ・リーブル梅田で開催している。6月10日(土)から6月12日(月)まで塚田万理奈監督の『空(カラ)の味』、6月13日(火)と6月14日(水)は野本梢監督の『私は渦の底から』『はじめてのうみ』『あたしがパンツを上げたなら2』『朝をこえて星をこえて』、6月15日(木)と6月16日(金)は永山正史監督による『トータスの旅』が上映される。

なお、第11回田辺・弁慶映画祭は11月10日(金)から 11月12日(日)まで の3日間にて、紀南文化会館で開催される。コンペティション部門はから7月15日(土)まで作品を募集している。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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