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悪名高い副大統領としてアメリカで記憶されるディック・チェイニーに焦点を当てた実録の政治ドラマ『バイス』がいよいよ劇場公開!

2019年4月2日

(C)2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

 

田舎の電気工から副大統領へと成り上がったチェイニー副大統領の裏側を描きだす『バイス』が、4月5日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『バイス』は、ジョージ・W・ブッシュ政権でアメリカ史上最も権力を持った副大統領と言われ、9・11後のアメリカをイラク戦争へと導いたとされるディック・チェイニーを描いた社会派エンタテインメントドラマ。1960年代半ば、酒癖の悪い青年だったチェイニーは、後に妻となる恋人リンに叱責されたことをきっかけに政界の道へと進み、型破りな下院議員ドナルド・ラムズフェルドの下で政治の裏表を学んでいく。やがて権力の虜になり、頭角を現すチェイニーは、大統領首席補佐官、国務長官を歴任し、ジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領の座に就くが…

 

本作は『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のスタッフ&キャストが再結集している。これまでも数々の作品で肉体改造を行ってきたクリスチャン・ベールが、今作でも体重を20キロ増力し、髪を剃り、眉毛を脱色するなどしてチェイニーを熱演。妻リン役に『メッセージ』『アメリカン・ハッスル』のエイミー・アダムス、ラムズフェルド役に『フォックスキャッチャー』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のスティーブ・カレル、ブッシュ役に『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルとアカデミー賞常連の豪華キャストが共演。第91回アカデミー賞で作品賞ほか8部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。

 

映画『バイス』は、4月5日(金)より、全国の劇場で公開。

観た後に言葉が出てこなかったほど、本作の持つ画の強さに圧倒されてしまった。

 

ディック・チェイニーの許されざる政権操作、それを止めることが出来なかったアメリカを、過度でない程にダークユーモアを交えつつ切り込んだ。 9.11テロ当時、ホワイトハウスの中で副大統領は何を考えていたのか。頭の回転が早くて機転の利く人間が好き勝手に戦争を勃発させられる立場にいたらどうなるだろう。戦争が起きるのも納得出来る。

 

サム・ロックウェルから醸し出される無能でお飾りなジョージ・W・ブッシュ大統領は観ているだけでこちらをイライラさせるほど演技が素晴らしい。挿入される釣りのシーン、後半にある法のメニューを取り囲んで優雅に政治家たちが食事をする暗喩の効いた演出、説明なく存在するストーリーテラーなどアダム・マッケイ監督にしか出来ないストーリーの流れ、脚本、演出で目新しさを感じた。原題『VICE』は、Vice-president(副大統領)であり、vice(悪徳)にもなるタイトルの付け方に脱帽である。

 

最後のシーンは、現在のトランプ大統領を支持する有権者像と重なってしまい、頭が痛くなった。笑いごとではない。「事実を知ることはリベラルなのか?」、あなたはどう思っただろう?自分の意見を持って議論しようじゃないか。

from君山

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映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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