雪が降り続く小さな村で起きた少年の失踪事件を巡るサスペンス『赤い雪 Red Snow』がいよいよ劇場公開!
(C)「赤い雪」製作委員会
ある少年失踪事件をきっかけに、“被害者の兄“と“容疑者の娘“の運命の歯車が大きく動き始める模様を描く『赤い雪 Red Snow』が、2月1日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『赤い雪 Red Snow』は、少年失踪事件を題材に描くサスペンス。雪が降り続く小さな村で1人の少年が姿を消し、一緒にいた兄・白川一希の記憶が曖昧だったことから捜査は混乱する。捜査線上に他に何件もの殺人容疑がかかる江藤早奈江が浮かび上がるが、完全黙秘を貫いた早奈江は無罪となる。事件から30年、容疑者・早奈江の一人娘である早百合を見つけ出した事件記者の木立省吾が、一希のもとへとやってくる。30年という長い年月を経て、出会った被害者の兄と容疑者の娘。それぞれ心に傷を持つ2人の出会いによって、予想外の結末へと収束していく…
本作では、白川一希役を永瀬正敏さん、江藤小百合役を菜葉菜さん、事件記者の木立役を井浦新さん、江藤早奈江役を夏川結衣さん、早奈江の内縁の夫・宅間隆役を佐藤浩市さんがそれぞれ演じる。監督は国内外の映画祭で高評価を受け、本作が長編初メガホンとなる甲斐さやかさんが務めた。
映画『赤い雪 Red Snow』は、2月1日(金)より、大阪・梅田のテアトル梅田、2月2日(土)より、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・元町の元町映画館など全国の劇場で公開。
人は衝撃的な出来事に遭遇すると、ショックで自身の記憶すら変えてしまう…人間の記憶と深層心理を描いた一作。
本作は、登場人物の心象風景を、独特な雪国の風景と音楽によって描いている。何が起こったのかはっきりと見せないが、赤い雪や、錆がかったような漆黒な赤によって表現し、現実から目を背けざるを得ない感情を不協和音がこもった竹笛のような音で表現していく。いつ崩壊してもおかしくない不安定な感情が、物語を混迷の一途に落とし込める。事件の真相が判明した時、貴方はそれを真実だと思うだろうか、あくまで登場人物の誰かに寄り添った記憶が正しいと信じたいか。人の記憶はどこまでも曖昧で残酷だ、と叩き付けられる。人間の心象に対する深い洞察力をもった新人監督による珠玉の長編映画デビュー作となった。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
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