Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

インドのスラムからラップで這い上がれ!『ガリーボーイ』がいよいよ劇場公開!

2019年10月14日

ムンバイのスラム育ちの青年が、ラップミュージックを知ったことをきっかけに、人生を大きく変えていく姿を映し出す『ガリーボーイ』が、10月18日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ガリーボーイ』は、インドで活躍するアーティスト・Naezyの実話をもとに、スラムで生まれ育った青年がラップとの出会いによって人生を一変させる姿を描いた青春サクセスストーリー。ムンバイの貧しい家庭で生まれ育った青年ムラード。両親は彼を大学へ通わせるため一生懸命に働いているが、そんな親の思いを知る由もなく、ムラードは悪友と車上荒らしに手を染め、医者の父を持つ身分違いの彼女と内緒で付き合っている。自分の人生を半ば諦めて生きてきたムラードだったが、大学構内でフリースタイルラップのパフォーマンスをしていた学生MC Sherとの出会いをきっかけに、ラップの世界にのめり込んでいく。親からの反対や友情、恋など様々な葛藤を抱えながらも、フリースタイルラップの大会で優勝を目指すムラードだったが……。

 

本作は、『パドマーワト 女神の誕生』等ボリウッドで注目を集めるランビール・シンが主演を務め、『チャンスをつかめ!』のゾーヤー・アクタルがメガホンをとった。なお、作家・クリエイターのいとうせいこうが日本語字幕を監修を務めている。

 

 

映画『ガリーボーイ』は、10月18日(金)より、大阪・梅田のシネ・リーブル梅田、難波のなんばパークスシネマ、京都・三条のMOVIX京都、神戸・三宮の神戸国際松竹など全国の劇場で公開。

 

格差社会という名の絶望を押し付けられた1人の青年がラップと出会い、夢を見る!

 

本国インドでは、10月現時点で2019年ボリウッド興収ランキング&位という程の人気!理由は、主人公のムラドを演じているランヴィール・シンの魅力と言っても過言ではない。彼の演技にある底知れぬ力強さに劇中何度も吸い込まれてしまい、ラップに全くと言っていいほど関心がなくても、無意識にハンドサインをしてしまう程のめり込んでいた。

 

また、本作がインドの人々の心を掴んで離さないのは、カースト制(ヴァルナ・ジャーティ制)が色濃く残る中で希望をテーマにしており、日本にいる我々以上に彼らにとってはパワフルに映るのだろう。本編で悪として描かれている父親ですらも格差社会の波に溺れた1人の被害者だ。父親のセリフから推察できる虐げられてきた過去を想像すると、親子の確執シーンですら涙なしには鑑賞できない。

 

歌詞に度々登場する「足鎖を溶かす」という言葉からも、格差社会の運命に抗えない不条理の重さを計り知られる。ムラドの足鎖が溶けた瞬間は少なくとも二箇所存在した。一つ目はムラドが初めてマイクを手にする時。二つ目はムラドが再びラップバトルに挑戦する時。2つのシーンに共通することは「光」。足鎖を溶かし、希望の光に包まれた路地裏育ちの青年は、ビートを盗んで飢餓もライム(韻)として織り込みリリック(詞)にした。圧巻のラストシーンでは、彼の魂の叫びが炎のエネルギーとなって吐き出れていく!

fromねむひら

 

近年、日本の映画界に衝撃を与え続けるインド映画のセカンドインパクト!

 

「インド映画×ヒップホップ」は想像以上にトベるッ!
インド映画と言えば敬遠してしまう人もいるかも知れないので断っておくが、今作はそこまでインド映画っぽくはない!かなり甘口でとても観やすい作品となっている!とはいえ、インド映画を好きな人が満足できるインド映画あるあるも満載!

 

ヒップホップも苦手という方も多いかも知れないが、その点も今作はそこまでくどくはない!音楽ジャンルでは俄然、ロック派な私でも素直にラップをカッコいいと思える内容である!この映画は”喰わず嫌い”いや、”観ず嫌い””聴かず嫌い”をされやすいテーマ×テーマのものだが、とても観やすく構成されており、各ジャンルの入門編にはかなりオススメの作品!

 

インドで活躍する実在のラッパー、NaezyとDivineの半生をもとに描いた今作は、スラムで育つ青年、ムラドがラップと出会い、仲間達とフリースタイルラップで頂点を目指す物語。日本ではあまり聴き馴染みのない、インドのヒップホップのフロウはとても独特で不思議な感覚…耳心地の良いサウンドは、かなり中毒性があり、英語圏のヒップホップとは、また違った魅力が感じられる。未だにインドに残る身分のしがらみを超えて、夢を実現させようとする姿に、ヒップホップ文化誕生の背景も重なり、観る人の胸を熱くしていく…

 

噛ませよ、下克上!観ろよ、劇場で!この映画、まさに、新境地!そいつの名前は”ガリーボーイ”!と鑑賞後は、下手なりに韻を踏みたくなりますので、その点には要注意かも知れません!

from関西キネマ倶楽部

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts