韓英恵さん主演、神奈川県大和市が舞台の青春音楽映画『大和(カリフォルニア)』が関西の劇場でいよいよ公開!
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米軍基地や貧困といった問題を抱える神奈川県大和市を舞台に、ラッパーの少女がヒップホップを通じて“語るべき言葉“を獲得していく様子を描く『大和(カリフォルニア)』が関西の劇場でも6月30日(土)より公開される。
本作は、大阪アジアン映画祭でも自身の監督作品が上映され続けてきた宮崎大祐監督がメガホンを取り、『霊的ボリシェヴィキ』の韓英恵さんが主演を務めた。「無伴奏」「悪魔」の遠藤新菜さんや、片岡礼子さん、内村遥さんも出演。他にも地元出身のラッパーNORIKIYOさんが本人役でライブを披露し、Cherry Brownさん、割礼の宍戸幸司さん、GEZANといったミュージシャンたちが多数参加している。
映画『大和(カリフォルニア)』は、神奈川県大和市を舞台にした音楽青春映画。厚木基地の住所はカリフォルニア州に属しているという都市伝説がまことしやかに囁かれている神奈川県大和市。十代のラッパー・長嶋サクラは米軍基地とともに発展をしてきたこの町で、日本人の母と兄、そして母の恋人で米兵のアビーに囲まれて暮らしている。アメリカのラッパーに憧れるサクラは、ラップの練習とケンカに明け暮れる毎日を送っていたが、そんなある日、カリフォルニアからアビーの娘レイがやってきた。レイとサクラは大好きな音楽の話をきっかけに徐々に距離を縮めていくが……。
映画『大和(カリフォルニア)』は、6月30日(土)から、大阪・九条のシネ・ヌーヴォと京都・出町柳の出町座で公開。また、7月7日(土)から神戸・元町の元町映画館で公開。さらに、7月7日(土)より、大阪・十三のシアターセブンでは、「宮崎大祐監督 特集上映」と題して宮崎大祐監督の過去作品『5TO9』『夜が終わる場所』や脚本を手掛けた『孤独な惑星』を上映する。
神奈川県大和市は、筆者がかつて東京に住んでいた頃に一度だけ訪れたことがある。東京近郊のベッドタウンといった印象を持ったが、地方都市の特徴が顕著に出ている気がした。本作では、東京に行こうと思えばいつでも行ける場所であり、街の中で様々な用事が済み、あえて街を離れようする気が起こらないことを示す。そんな中でも隣接する相模原市には米軍基地があり、アメリカ文化への憧れが若者にはある。そんな場所で青春時代を過ごせば、いくらでも心の葛藤は起きていくだろう。静かながらも沸々と沸き起こっていく感情を丁寧にかつエモーショナルに物語は描いていく。主人公が形に出来ない思いを自身の言葉で表現した時、胸が熱くなった。こんな青春音楽映画を観たかった!宮崎監督、ありがとう!!
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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