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皆で考えても答えが出ないことが映画になる!深川麻衣さん映画初主演『パンとバスと2度目のハツコイ』今泉力哉監督を迎え舞台挨拶開催!

2018年6月30日

結婚に踏ん切りがつかない女性といつまでも離婚した元妻のことが忘れられない男性のこじれた恋愛の行方をコミカルに描き出すラブストーリー『パンとバスと2度目のハツコイ』が大阪・十三の第七藝術劇場で上映中。6月30日(土)には、本作を手掛けた今泉力哉監督を迎えて舞台挨拶が開催された。

 

映画『パンとバスと2度目のハツコイ』は、こじらせた男女の新たな恋模様を描くラブストーリー。パン屋で働くふみはある日、中学時代の初恋相手・湯浅たもつと偶然再会。ふみはプロポーズされたものの結婚に踏ん切りがつかず恋人を別れたばかりで、たもつは離婚した元妻のことを今でも忘れられずにいたが……ふみ役を乃木坂46の元メンバーである深川麻衣さんが務め、たもつを三代目 J Soul Brothersの山下健二郎さんが演じた。

 

上映後に今泉力哉監督が登壇。本作は2月に公開され現在までロングラン上映していることに感謝し「以前からお世話になっている第七藝術劇場でも公開出来て嬉しい」と伝えた。

 

本作の制作について、今泉監督は「自宅のソファーでくつろいでいるとプロデューサーから電話があり、『深川麻衣さんを知っていますか?元乃木坂46の深川麻衣さんで映画作りませんか?』と言われ『やります』と、ふんわりと始まった」と明かす。現在作られている映画は、原作があったり、脚本やプロットが先にあったりすることが多いが「役者が先に決まっている企画は作りやすく、どうやったらその人が魅力的になるかを考える作業」だと捉えている。今回は、まず深川さんを知るために、実際に会ってお話を聞いていった。当時の印象について「いい人という印象があり、ぼろが出ない」と感じ、真面目で考え過ぎてしまうキャラクターとして描くことにする。なお、パン屋については、朝型生活における時間の違いに興味を持ったことと、深川さんに似合う職業と感じたことから設定。また、バスについて「保育園の送り迎えで行き来している時、バスの洗車を見て、撮りたくなった」と打ち明け「バスの洗車を映画で観たことがない。主人公のマイナス要素や自身の弱さを洗い流せるかも」と可能性に気づく。撮影現場では、主演の2人は演技慣れしていないが、柔軟さがあると感じた。山下さんについて「演じるうえでの不安も事前に言って下さった。役のことを考えてくれており、理解できない部分がありながらも真摯に演じてくれたので、おもしろかった」と評価する。演出するにあたり「芝居をやりにくくする要素は極力省きたい。ひとつのショットを基本的には頭から最後まで通しで撮り、ぶつぎりにしない。一気に撮った方が、感情が作りやすい」と拘った。

 

メジャー作品と独立系作品で今泉監督は違いを見せている。原作がある作品について「脚本を1人で書ききったことがない。原作ものは短編でなければ、省略によって成立する。面白いところを削らなければいけないので、忍びない」と告白。作品作りにあたり「常識を疑い、あまり普段は考えないような疑問を見つけられると、映画になると思う。一人で考えて答えが出るものは映画にする必要がない。皆で考えても答えが出ないことが映画になる、とどこかで読んで、共感した」と論じる。それでも、自身について自信の無さがあると述べ「自分がものをつくっていても、意識している。だからこそ、自信がある人より、自信のない人の方が魅力があり興味を持つ。一般的とされている常識に違和感があり、疑問を提示していきたい」と訴えた。なお、自身の子供時代について「変でしたね」と振り返る。幼稚園児の頃には「普通のことや一番人気が嫌い」だったと明かす、。その後についても「皆で下校しているとき、俯瞰してしまい、理由はないけど走って帰り皆を困惑させていた」ことも覚えていると話す。現在の猫背の理由について、「身長は180cmぐらいあるが視線は誰よりも下に置きたい。すると、どんどん猫背に丸まっていった」と俯瞰する。

 

今泉監督は、映画があってよかった、という。「映画は芸術の中でも、絵画や小説などと違って、たくさんの他者の力を使って成り立つ芸術」だと話す。絵も小説も書けない自分にとってはたまたまだけど最善の選択だったと話す。コメディや笑いの表現においては「たとえば、別れ話を切り出す時、”俺よりもイイ人がいるよ”という言葉は、思いやるようで、実は相手を酷く傷つける。日常には驚くほど悪が潜んでいる。(ここが面白いシーンですよ!)みたいな笑わせるための芝居より、本人が気づいていないやりとりの中で生まれる笑いの方がおもしろい」と独自の理論を展開。自身の映画については「楽なことはやりたくない。例えば、号泣シーンや人が亡くなるシーンは選ばない。もし作るならフックやズレがあった方がよい」と述べる。さらに「役者を重視し、人物を魅力的に撮れているか。加えて、芝居に真逆の特殊性があると私の映画らしくなる」と拘ってきた。今後、『アイネクライネナハトムジーク』『愛がなんだ』の公開を予定しているが「シネコン好きや特定の役者好きのお客さんに観てもらい、今まで観てきた作品とは違う映画を観て、おもしろがってくれたら嬉しい」と楽しみにしている。

 

映画『パンとバスと2度目のハツコイ』は、大阪・十三の第七藝術劇場で7月13日(金)まで上映中。なお、8月には、シアターセブンで今泉力哉監督特集上映を予定している。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する
映画好き。映画ライター講座を受講し
関西の映画情報サイトを中心に執筆

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