Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

シベリア抑留から生還した台湾人元日本兵に迫るドキュメンタリー『零下五十度の抑留者』がいよいよ劇場公開!

2026年9月1日

©多面向影像工作室

 

日本兵として戦地へ送られ、戦後シベリアに抑留された、日本統治下の台湾で生まれた台湾人たちを追ったドキュメンタリー『零下五十度の抑留者』が9月5日(土)より全国の劇場で公開される。

 

映画『零下五十度の抑留者』は、シベリア抑留から生還した台湾人の元日本兵たちの存在に迫ったドキュメンタリー。日本統治下の台湾では約20万人におよぶ台湾人が日本軍の兵士として戦地へ送られ、終戦後、そのうちの一部はソ連軍の捕虜となり極寒のシベリアに送られた。約60万人の旧日本軍兵士や民間人がソ連によってシベリアや中央アジア各地の収容所に連行されたシベリア抑留では、抑留者たちは鉄道建設や伐採、鉱山開発など過酷な労働を強いられ、飢えと氷点下の寒さで約6万人の命が失われた。しかしその中にいた台湾人捕虜の存在は、戦後の日台を取り巻く複雑な国際情勢の狭間で長く見過ごされ、現在に至るまで正確な人数は分かっていない。本作には、現在確認されている唯一の生存者である呉正男をはじめとする3名の台湾出身の元日本兵が登場。彼らが抱え続けてきた“空白の記憶”に光をあて、時代の荒波に翻弄されてきた彼らとその家族の思いや、台湾の世代ごとに異なるアイデンティティなど心の機微を丁寧に描き出す。監督のコー・ビンスンはシベリア鉄道に乗って彼らの帰還までの道のりをたどるとともに、台湾と日本に残された写真や手紙、録音テープ、そして断片的な記憶を丹念に拾い集め、沈黙の奥に封じ込められた感情を浮かび上がらせていく。

 

©多面向影像工作室

 

映画『零下五十度の抑留者』は、9月5日(土)より全国の劇場で公開。関西では、9月5日(土)より大阪・十三の第七藝術劇場、9月18日(金)より京都・烏丸の京都シネマ、10月3日(土)より神戸・元町の元町映画館で公開。

第二次世界大戦の終戦後、武装解除され投降した日本軍捕虜や民間人らが、ソ連)によってシベリア、カザフ、キルギス、ウズベクなどソ連の衛星国へ労働力として連行され、厳寒・飢え・感染症の蔓延る過酷で長期間の強制労働をさせられ多数の人的被害を生じた、シベリア抑留。これまでも日本人が抑留されたことを描く映画は多く製作されてきたが、実は、その中には台湾人もいたことを初めて知った。だが、日本統治下の台湾で生まれ育ち、その後、日本軍兵士として戦った台湾人がいるのならば、シベリアに抑留された方がいてもおかしくない、と納得せざるを得ない。資料によると、本作を手掛けたコー・ビンスン監督は、『ラーゲリより愛を込めて』を観た際、シベリアに抑留された台湾人の存在に触れてほしいと願った、とのこと。ならば、本作を手掛けたことは自然な流れだ。そこで、監督は、本作において、シベリア鉄道沿いに彼らの足跡をたどりながら、台湾、日本、ロシアを巡り、彼らが歩んだ帰還の道を追う。そして抑留された本人、子と孫の世代からの証言を通して、シベリア抑留について知っていくことが出来る。そこで、世代によって、父親・祖父が抑留されたことに対する受けとめ方が違っていることも興味深い。時代を経ていくうちに受けてきた教育の違いによってここまで変化するのか、と気づかされた。だが、シベリア抑留されていたことを知る意義は大きく、現在行われている侵攻について考える程、本作が製作されたことを後世に残す意味を考えさせられる、と観終えた時には思わざるを得ない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts