Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

人に感謝し、人のことを思い、傾聴する、そして、じっくりと待つこと…『平行と垂直』安田章大さんと小林聖太郎監督を迎え初日舞台挨拶in大阪開催!

2026年8月28日

カウンセラーの女性が、結婚を前に自立して暮らすASDを持つ兄と向き合う様子を映しだす『平行と垂直』が8月28日(金)より全国公開中。初日には、大阪・難波のなんばパークスシネマに安田章大さんと小林聖太郎監督を迎え、初日舞台挨拶in大阪が開催された。

 

映画『平行と垂直』は、SUPER EIGHTの安田章大さんとのんさんが主演を務め、自閉スペクトラム症の兄と結婚を控える妹の温かくも強い絆を描いたヒューマンドラマ。自閉スペクトラム症の大貴と、幼い頃から彼を支えてきた妹の希。母を早くに亡くした彼らはネグレクト気味の父から距離を置き、ふたりで懸命に生きてきた。現在、大貴は清掃の仕事に就き、周囲のサポートを受けながら自立した生活を送っている。大貴はほとんど会話をせず、表情もあまり変わらないように見える。独自の規則を持つ彼は、すべてを平行と垂直に並べるほど几帳面でこだわりが強く、机に並ぶ食器もていねいにそろえる。週に1度の希との食事の時間は19時ちょうどで、1分でも過ぎると落ち着かなくなる。カウンセラーとして働いている希は、ある日恋人からプロポーズを受け、一抹の不安を抱えながら大貴とともに恋人の両親に会いに大阪から東京へ向かう。希の結婚話をきっかけに、兄妹は思いがけずお互いの過去と未来に向き合うことになる。劇団ふくふくや主宰で俳優としても活躍する山野海さんによるオリジナル脚本に感銘を受けた安田章大さんが製作を熱望し、企画から参加。自閉スペクトラム症の専門家の監修のもと約2年かけて脚本を練り、安田さん自身も専門家のレクチャーを受けて撮影に臨んだ。監督は『かぞくのひけつ』『毎日かあさん』の小林聖太郎さんが務めた。[配給:東映ビデオ]

©2026「平行と垂直」製作委員会

 

今回、上映前に、安田章大さんとのんさんと小林聖太郎監督が登壇。公開初日を迎え安堵している気持ちと共に、作品に対する真摯な思いが丁寧に届けられる舞台挨拶が繰り広げられた。

 

先月末、本作の舞台となった大阪・堺にあるTOHOシネマズ鳳でのジャパンプレミア試写会での舞台挨拶以来の来阪となり、安田さんは「迎えてくださる方々がいてくださるというのが一番帰ってこられる理由なので、それが幸せですね。 それも、難波でお客さんが全然入らない時代過ごした街なので。1000人規模の会場で前二列しか入らなかったのを過ごしてきたので、今こうやって300を超える皆様がこの映画を追いかけてきてくださっていること自体が、そして、記者の皆さんも入ってくださっている、ということが嬉しく思いますね」と感慨深げだ。小林監督は「大阪球場があったなぁ」と思いながら劇場にやって来て、ありがたさと懐かしさが相まっていた。なお、本日は来阪キャンペーンを行いながら、安田さんは、関西弁をたっぷりと聞いて落ち着いた気持ちになっている。小林監督は、撮影前に堺にある幾つもの商店街を周っており、朝方に依頼を受け、シャッターを一緒に開けたこともあったようだ。

 

 

公開初日を迎えた現在、安田さんは「0から1を生み出してくれた、原案をを叩き出してくれた山野海に感謝という言葉。そこからの広げていくことがすごく大事。まず、その広げ方をちゃんと細かく一個一個調べていってくれる、頼りになるのが小林聖太郎さんの作り方なんだな、というのを実感した」と思い返す。現在の小林監督は、安堵の気持ちが一番大きいようだ。

 

企画から携わっている安田さんは「世の中、もうちょっと分かりやすく変わっていく必要があるな」という思いが大きく「変わっていく、というのは、人と人が知っていくこと。そして、人と人が良い効果を及ぼしていく。それは、助け合える環境を作っていく。相手を知ることによって寛容的になれる。そして、相手を待つことができる、ということがもっと世の中に広がってほしいな」と伝えていく。「世の中、あんたにとっての普通と、あなたにとっての普通が全然違うことがある。だけど、それを、そうなんですね、と受け止めるのではなく、変ですよね、という風に受け取ることが多い世の中に違和感を感じていた」と話し「僕自身も、スカートを履いてみたり、ネイルをつけてみたり、は10代の頃からやっていましたけど、やっぱり、それを周りからは、変だ、と言われてきた時代を過ごしました。それぞれの普通を、けなし合うでもなく、否定するでもなく、そうなんだね、と会話ができるようになったらいいな、と。そして、それが今回の映画で云うと、自閉スペクトラム症」と説く。そして「これは、発達障害の1つですね。定型発達、というものもあります。その大きな違いは、診断されているか否か。そして、その中で人同士が関わっていくんだったら、そういうことを抜きにして、人を見合う必要があるのじゃないかな、と。そして、相手の内側を見るためには、言葉以上の何かを伺うことで、気づくことができるんじゃないのかな、というところにすごく焦点を当てていきました」と説明した。この思いを聞いた小林監督は「初めは、怖気づいた、というか…本当に自分にこういう題材を描く資格があるんだろうか、みたいな、ちょっと踏みとどまる感じがあったんですけども…」と打ち明けながら「いいな、と思ったのが、この主人公の大貴という青年が、ASD(自閉スペクトラム症)を持っているけれども、コミュニケーションは苦手だけれどもものすごい数学的な才能がある、とか、一瞬でフォトメモリがある、とか、そういう特殊能力的を持たない、普通にいる青年だ、というところがとてもいいな、と思いました。すると、その隣に寄り添う人がもう1人の主人公である。その2点がとても惹かれたところですね」と語っていく。

 

 

完成した作品を観た安田さんは「会話している時の実声で喋っている声じゃないところに含まれている情報量の多さにビックリしましたね。そこは自分で観てみても、こんなに膨らんでんねんな」と実感しており「のんちゃんが演じてくれた希も素晴らしかっただろうし、それ以外の役者の皆様はちゃんと自分の人生で生きてくれている。誰も悪くないんです。だけど、誰も悪くないのに、とある反応によってミスが起きたり、トゥーマッチな行動や言動をしてしまっていることになる。そういうことがあるんですけど、そういうものも含めて、映画の中に台詞として残っていないところに余白がいっぱいあったな」と気づかされていた。

 

そして、今回は、劇中で大貴の近所に住む5歳の少女である安藤紗奈役を演じた河野咲良さんがサプライズ登壇。河野さんは花束を持って登壇し、公開初日を華やかにお祝い。河野さんは撮影当時を振り返り「四角いおにぎりと、卵焼きが美味しかったです」と皆を和ませた。安田さんについて「優しくてカッコ良かったです」と印象深く、これを聞いた安田さんは「台本にあるか?」とツッコミ。小林監督について「優しかった」と伝え、小林監督は安堵していた。そんな様子を見ながら、安田さんは「そばで見ていて…大人でも長台詞って大変なんですよ。それこそ、おにぎりに関する1分ぐらいのシーンもあり…例えば、おにぎりちょっと取って、とか、食べてセリフ言って、をやっていたもんな。そんな簡単に…誰でも難しいからなぁ」と労った。小林監督も「彼女にしかない不思議な間があって、それがすごく応援したくなるんですよね」と同感だ。

 

 

最後に、小林監督は「是非、周りの方にどんな思いを受けたか、を伝えていただけるとすごく嬉しいな、と思います。山野さんと安田くんをはじめ、作り上げた玉を、だんだんと皆で大玉転がしみたいに転がしながらちょっとずつ大きくしていったので、皆さんにその玉が伝わっていって、さらに先に広がっていくと嬉しく思います」とメッセージ。安田さんは「1つ1つ積み上げてきたものなので、たった今から、作った側から手を離れて、育ててもらえる時間に変わっていきます。生んだ作品は必ず育ってほしいな、と思うのが親の気持ちだな、と改めて実感しています。人と人が繋がることで生まれる愛の深さ、思いやれる感動をぜひ体験して、自分も行動しよう、と感じてもらえたらな」と伝え「作品は宣伝してなんぼ、ということも今回学びました。それは、自分が今回初めて企画から関わらさせていただけたからこそだ、と思っています。人に感謝し、そして、人のことを思い、そして、他者の言ってくれていることに傾聴する。そして、じっくりと待つこと。さっき、咲良ちゃんとも喋っていて、待つことを意識した、と思いましたね。なので、それぞれがしっかり誰かに対して向き合いたい、そして向き合うならば待つ、そして待った後に表現する。それのキャッチボールをしてみてください。これからも一生懸命届けていく僕たちの背中、そして、この映画を広げていってください」と思いを込め、舞台挨拶を締め括った。

 

映画『平行と垂直』は、8月28日(金)より全国公開中。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や難波のなんばパークスシネマや堺のTOHOシネマズ鳳、京都・三条のMOVIX京都や九条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のkino cinema 神戸国際等で公開中。

 

©2026「平行と垂直」製作委員会

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts