Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

Now Loading...

関西の映画シーンを伝えるサイト
キネ坊主

  • facebook

死にかけのヤクザが起こす大逆転を描いた『ホウセンカ』がいよいよ劇場公開!

2025年10月6日

©此元和津也/ホウセンカ製作委員会

 

無期懲役囚として孤独な死を迎える老人が、人間の言葉を操るホウセンカとの会話で過去を振り返る『ホウセンカ』が10月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ホウセンカ』は、“大逆転”に人生を懸けたある男の愛の物語を描くアニメーション映画。独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人である阿久津に、人の言葉を話すホウセンカが声をかける。ホウセンカとの会話の中で、阿久津は自身の過去を思い起こしていく。1987年、夏。ヤクザの阿久津は兄貴分である堤の世話で、6歳年下の那奈とその息子である健介とともに、庭にホウセンカが咲くアパートで暮らしはじめる。幸せな日々を過ごす阿久津だったが、ある日突然、大金を用意しなければならなくなり、堤と共に組の金庫から3億円の強奪を企てる。

 

本作では、2021年のオリジナルテレビアニメ「オッドタクシー」のクリエイターである木下麦さん(監督・キャラクターデザイン)と此元和津也さん(原作・脚本)が再びタッグを組んだ。主人公である阿久津の現在と過去の声を小林薫さんと戸塚純貴さんがそれぞれ演じ、阿久津のパートナーである那奈役で満島ひかりさんと宮崎美子さん、言葉を話すホウセンカ役でピエール瀧さんが共演。さらに声優の安元洋貴さん、斉藤壮馬さん、お笑い芸人の村田秀亮さん(とろサーモン)、中山功太さんが声の出演。『映画大好きポンポさん』『夏へのトンネル、さよならの出口』のアニメーション制作スタジオであるCLAPが企画・制作を手がけ、3人組のバンドceroが音楽を担当した。

 

©此元和津也/ホウセンカ製作委員会

 

映画『ホウセンカ』は、10月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のT・ジョイ梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や難波のTOHOシネマズなんば、京都・九条のT・ジョイ京都や烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。

不器用に生きてきて、最終的に無期懲役囚になってしまった元ヤクザの老人が若かりし頃を振り返っていくアニメーションである本作。元ヤクザの老人について、小林薫さんが声優を担うことで、さらに哀愁が増し、まるで高倉健さんがアニメーションになった作品を観ているかのようでもある。そんな老人に対峙しているのが、言葉を話すホウセンカ。ピエール瀧さんが独自の声色を使って、嫌味たらしくも、どことなく憎めないものとして存在している。そもそも、ホウセンカ(鳳仙花)自体は、一年で枯れてしまう一年草であるが、一度植えれば毎年お花を見ることができるので、各キャラクターを客観的に見つめるそんざいとして最適だ。なお、ホウセンカの花言葉は、「触れないで」「短気」「心を開く」といったものであり、主人公が心を開く象徴的な存在として描いている。現実的には、存在していないものかもしれないが、彼だけに見えているかもしれない存在と思えば、実に豊かなストーリーテリングが本作には施されていた。ある日、ヤクザの兄貴分から依頼され、6歳年下の女性とその息子と共に穏やかな生活を営みながらも、ヤクザの仁義によって否が応でも事件に巻き込まれてしまうのは仕方がない。その裏側には意外な真実を知らされたりしながらも、或る種痛快で微笑ましい伏線回収も盛り込まれているので、古き良き時代の物語を令和版にブラッシュアップしているようでもあった。その傍らには、ero の⾳楽が寄り添い、物語を豊かにしてくれる。意外な程に愛に溢れている本作を劇場でふれてみてはいかがでしょうか。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

Popular Posts