校長になるための昇進試験を控えるごく平凡な教頭が、様々な個性を持った児童や教師、保護者、そして自身の家族との関わり合いの中で成長していく『中山教頭の人生テスト』がいよいよ劇場公開!

©2025 映画『中山教頭の人生テスト』製作委員会
山梨県のとある小学校を舞台に、妻に先立たれたベテランの教頭が臨時担任を務めることになり、児童たちに寄り添うことでさまざまな問題と向き合っていく『中山教頭の人生テスト』が6月20日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『中山教頭の人生テスト』は、渋川清彦さんが主演を務め、校長先生を目指しながらもどこか頼りない小学校の教頭先生が、個性豊かな児童や教師、保護者たち、そして自身の家族との関わりの中で成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。山梨県の小学校で教頭を務める中山晴彦。教員歴30年のベテランである晴彦は、真面目で柔和な性格ながら頼りない一面もある人物だ。4年前に妻を亡くして以来、中学生の娘と2人で暮らしながら校長昇進を目指してはいるが、日々の忙しさに忙殺されて勉強は進まない。ある日、5年1組の臨時担任を任された彼は、児童や保護者、同僚、家族との関わりを通じてさまざまな問題に直面する。そして子どもたちと真剣に向き合う中で、晴彦の人生は少しずつ変化していく。監督・脚本は『教誨師』『夜を走る』の佐向大さんが務めた。
©2025 映画『中山教頭の人生テスト』製作委員会
映画『中山教頭の人生テスト』は、6月20日(金)より全国の劇場で公開。関西では、6月20日(金)より大阪・堺のMOVIX堺や京都・烏丸の京都シネマ、6月28日(金)より大阪・十三の第七藝術劇場、7月12日(土)より神戸・新開地のCinema KOBEで公開。

小学校に通っていた頃の教頭先生といえば、校長先生の次に偉い人だけど、習字の授業で教えてもらいながら、どことなく親しみがある先生というイメージがあった。だが、本作の冒頭からのシーンを見ていると、中間管理職的なお仕事をしており、学校で起こる大小様々な出来事について対応していかないといけない大変な立場であることが十分に伝わってくる。お世話になった教頭先生もこんな仕事をしていたんだ、と気づかされると感謝の気持ちしかない。本作の場合、ある種の”校内政治”に巻き込まれたあげく、臨時担任もしなければならなくなってしまうので、多忙極まりない限りだ。あくまで児童一人一人と向き合ってこそ小学校があるのであり、様々な児童が同じ空間の中で過ごしている。問題が起こらないはずがない。起こるべくして起こる出来事であったり、誰かが意図的に起こしている問題もある。そんな一つ一つに対して向き合っている先生の姿が映し出されていく。最終的には、予想外の真相や意表を突くような出来事に驚かれながらも、しこりが残ってしまうような結末に至ってしまうのは如何ともし難い。だけれども、不器用ながらも必死に生きている者達に光が射すことを願ってやまない限りだ。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!