50歳を過ぎた元トップ人気女優がある再生医療に手を出していく『サブスタンス』がいよいよ劇場公開!

©2024 UNIVERSAL STUDIOS
容姿の衰えで仕事が減った元女優が、再生医療によって若く美しい女性に生まれ変わる『サブスタンス』が5月16日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『サブスタンス』は、若さと美しさに執着した元人気女優の姿を描いた異色のホラーエンタテインメント。50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベスは、容姿の衰えによって仕事が減っていくことを気に病み、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、「サブスタンス」という違法薬品に手を出すことに。薬品を注射するやいなやエリザベスの背が破け、「スー」という若い自分が現れる。若さと美貌に加え、これまでのエリザベスの経験を持つスーは、いわばエリザベスの上位互換とも言える存在で、たちまちスターダムを駆け上がっていく。エリザベスとスーには、「1週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対的なルールがあったが、スーが次第にルールを破りはじめ…
本作は、バイオレンス映画『REVENGE リベンジ』等を手がけてきたフランスの女性監督コラリー・ファルジャが、『ゴースト ニューヨークの幻』等で1990年代にスター女優として活躍したデミ・ムーアを主演に迎え、『哀れなるものたち』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』等の話題作で活躍するマーガレット・クアリーが共演。2024年の第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞。第75回アカデミー賞では作品賞のほか計5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。エリザベス役を怪演したデミ・ムーアはキャリア初となるゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネート&受賞を果たし、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。
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映画『サブスタンス』は、5月16日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のTOHOシネマズ梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋、難波のTOHOシネマズなんばやなんばパークスシネマ、京都・二条のTOHOシネマズ二条や三条のMOVIX京都や七条のT・ジョイ京都、神戸・三宮のOSシネマズミント神戸等で公開。なお、5月15日(木)には前夜祭上映も開催される。

本作を観終えた時、今年一番に強烈な印象を与えられてしまったんじゃないか、と思える一作であった。1990年代にスター女優として活躍したデミ・ムーアが主人公である本作、彼女が62歳であるとは思えない程の魅力を放っている。それだけで十分な実力派俳優として仕事の依頼がたっぷりとありそうなもの。だが、世間のニーズを勘違いしている輩によって、仕事を下ろされてしまうのはなんとも切ない。これは、日本においても同様のことが起きているのではないか。そこで、奮起したい主人公が手を出してしまったのが「サブスタンス」なるものを利用した若返り。この若返りの手法が、ビックリ仰天レベルの代物。理化学的にどうなっているの!?としか思えない手法だが、よくぞこれを映画で具体化しようと思ったな、と驚くばかり。だが、非常に危険な手法であり、細やかな手順やルールが存在し、下手な応用手段やルールを逸脱したことを成せば、起こり得るリスクが増大になっていくこととは紙一重だ。それでも、周囲にちやほやされるレベルの若さが必要なのも切ない限りだ。そして、最終的には、阿鼻叫喚の地獄絵図が描かれていく。これぞ、ザッツホラーエンタテインメント!な仕上がりの一作として出来上がっていた。彼女が迎える最後をどのように受けとめるか、大いに語り合ってみたい。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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