テロ犯に仕立てられた青年がタイムループを繰り返す『政党大会 陰謀のタイムループ』がいよいよ劇場公開!

©V House Productions
射殺された男がタイムループを繰り返し、政党大会での暗殺テロを阻止する『政党大会 陰謀のタイムループ』が5月2日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『政党大会 陰謀のタイムループ』は、政党大会の会場で要人暗殺テロの犯人に仕立て上げられてしまった青年が、テロを阻止するためタイムループを繰り返す姿を描くインド・タミル語映画のSFポリティカルアクション。ドバイ在住の裕福なタミル人ムスリムのアブドゥル・カーリクは、友人の結婚式に参列するためインドに帰ってくる。しかし、偶然出会った警察官のダヌシュコディに拘束され、その日の夜に開かれる与党の政治集会でテロ行為を行うよう強要される。逆らうことができずにテロの犯人に仕立て上げられたカーリクは、現行犯として射殺されるが、気が付くとその日の朝に戻っていた。タイムループが起きていることを理解したカーリクはテロを止めるために奔走し、失敗しては朝に引き戻されるというタイムループを何度も繰り返していくが…
本作では、ヴェンカト・プラブが監督を務め、主演は、長年にわたりタミル語映画界のスターのひとりとして活躍しながら、日本での出演作の公開はこれが初となるシランバラサン。カーリクを陥れる警察官ダヌシュコディを、『ジガルタンダ・ダブルX』等で知られるS・J・スーリヤーが演じた。
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映画『政党大会 陰謀のタイムループ』は、5月2日(金)より全国の劇場で公開。関西では、5月2日(金)より、大阪・難波のなんばパークスシネマや堺のMOVIX堺、兵庫・神戸のkino cinema 神戸国際や尼崎のMOVIXあまがさき、6月14日(土)より大阪・十三のシアターセブンで公開。また、京都・出町柳の出町座でも近日公開予定。

タイムループを取り入れた作品の中にはいくつもの名作がある。本作は、それらのエッセンスをしっかりと取り入れた上で、さらなるオリジナリティを作り込んでおり、次の展開はどうなるの!?とワクワクせずにはいられない。とはいえ、タイムループが起こる前までの前提の話は非常に丁寧に描いている。もはや、いつになったらタイムループが起きるのか、と心配になってしまうレベルではあるのだが、故にタイムループが起きて以降の展開がさらにおもしろくなっていく。そして、タイムループが発生して以降、同じ映像を繰り返さないようにする省略の美学に磨きがかかるわけだが、あまりにも大胆な省略まで施しており、これはタイムループを起こしているんだよね!?と訊ねたくなってしまう程の境地にまで至ってしまう。さらにはタイムループが起きる真相へと辿り着いた先の攻防すらも、おもしろさを追求し続けているので、本当に観る者を飽きさせない作品である。特に、作中には、幾つものタイムループを扱った作品や時間軸を用いた作品のタイトルを引用するが、あえて明確にタイトルを挙げなかった作品の要素をさらに突き詰めたようにも感じられた。本作のタイトルにある通り、ポリティカルな題材を取り入れたアクション映画ではあるが、タイムループを極めている作品でもあり、この上をいくような作品も今後作られていくのか、楽しみな限りだ。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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