過去の学生運動や未来の若者達の姿も交えながら、圧倒的スケールで描くタイ初の大規模なSF『タクリー・ジェネシス』が第20回大阪アジアン映画祭のタイ・シネマ・カレイドスコープ2025で日本初上映!

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過去の学生運動や未来の若者達の姿も交えながら描くタイ初のSFエンターテインメント作品『タクリー・ジェネシス』が第20回大阪アジアン映画祭のタイ・シネマ・カレイドスコープ2025で日本初上映された。
映画『タクリー・ジェネシス』…
タクリー郡の森で真夜中に催される秘密の儀式。隠れて見ていたステラは、父親が閃光に包まれ消えるのを目撃する。30年後ステラは、父親の失踪にある物体が関係することを知る。圧倒的スケールで描くタイムリープ・エンタテインメント。
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映画『タクリー・ジェネシス』は、3月22日(土)17:30よりテアトル梅田でも上映。

主人公の幼き頃、森の中で父親が光に包まれて消えてしまう事態に遭遇し、一体何が起こったのか分からない大人へと成長していく。そして、30年後に地元へ帰ってみると、別の世界に父親がいることが分かったり、老いていない村人がいることが分かったりと、時空を超えた現象が起きていることに気づかされる。つまり、なんらかのタイムリープ現象が起きていることが分かるわけだ。その要因となるのが、タクリー・ジェネシスと呼ばれる機械だ(タクリー[Taklee]は、タイの南部にあるナコンサワン県の最南端エリアを指す)。最新のCG技術を用いた演出によって、欧米のSF映画並みの仕様が施されており、独自のタイムリープによって構築された世界観には圧倒されるばかり。全てを十分に理解するためには何度か鑑賞する必要がある方もいるのではないだろうか。そんな壮大なSF映画の世界観だけでなく、宇宙人や巨大な宇宙船、恐竜や巨大な怪獣、ゾンビといったようにSFやジャンル映画の要素をこれでもかと詰め込み、さらには、1973年にタイの軍部独裁政権を打倒した全国学生センターを中核とする反政府運動である十月学生革命についても描いていく。タイ初の大規模なSF映画としてお腹いっぱいの内容である。よくぞ1本の映画として纏め上げたことに圧倒されるばかり。タイでの配給がワーナー・ブラザーズであることから察するに、既に世界規模での映画市場をターゲットにしているだろうか。本映画祭ではテアトル梅田での上映となったが、今後、日本で劇場ロードショー公開されるならば、是非ともシネコンの大きなスクリーンで大いに体感できる機会があることを願うばかり。

- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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