特殊能力を持った考古学愛好家が稀少価値を持つ女神像を発見し、闇のアート市場を巻き込んだ騒動が起きる『墓泥棒と失われた女神』がいよいよ劇場公開!
©2023 tempesta srl, Ad Vitam Production, Amka Films Productions, Arte France Cinema
1980年代のイタリア・トスカーナを舞台に、恋人の影を追う考古学愛好家が、ある女神像の発見をきっかけに、アートの闇市場で騒動を巻き起こす『墓泥棒と失われた女神』が7月19日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『墓泥棒と失われた女神』は、愛の幻想にとらわれた墓泥棒の数奇な運命を描いたドラマ。1980年代、イタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う考古学愛好家の青年アーサーには、紀元前に繁栄した古代エトルリア人の遺跡を発見できるという不思議な力があった。アーサーはその能力を利用して墓泥棒の仲間たちと埋葬品を掘り起こしては売りさばいて日銭を稼いでいる。そんなある日、アーサーたちは希少価値を持つ美しい女神像を発見するが、事態は闇のアート市場をも巻き込んだ騒動へと発展していく。
本作では、『幸福なラザロ』『夏をゆく人々』等で高く評価されるイタリアのアリーチェ・ロルバケルが監督・脚本を手がけ、『ゴッズ・オウン・カントリー』のジョシュ・オコナーがアーサー役で主演を務め、『ブルーベルベット』のイザベラ・ロッセリーニ、『ハングリー・ハーツ』のアルバ・ロルバケルが共演。2023年の第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された。
©2023 tempesta srl, Ad Vitam Production, Amka Films Productions, Arte France Cinema
映画『墓泥棒と失われた女神』は、7月19日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田のテアトル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
隔離された環境で純粋に生きる主人公が登場することが多く、不思議な魅力を放っているアリーチェ・ロルバケル監督作品。本作の場合、俗世間から離れて生きようとするが野暮なことに巻き込まれながらも純粋な思いを貫こうとする主人公アーサーの姿を描いていた。アーサーの場合、ダウジングのような不思議な能力を持っており、秀でた才能によって皆から頼りにされてしまい、関わりたくないことに巻き込まれてしまう。彼自身は、忘れられない恋人に再会したく、夢の世界に浸っていたいが、現実は違っていた。そういった意味では、親近感を抱かざるを得ない主人公の在り方ではある。そんな彼のあてのない旅路を淡々と描きながらも、どうしても珍道中になってしまうのが愛おしくなってしまう。アーサーが追い求めた先に遭遇するのは、彼が本当に出会いたかったものだろうか。或る種の人生賛歌のようでもある本作を観終えた時、あなたの中には何が残っているか、じっくりと語り合ってみたいものだ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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