寮に残ってクリスマスと新年を過ごす孤独な3人が小さな絆を築き上げる『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』がいよいよ劇場公開!
Seacia Pavao / © 2024 FOCUS FEATURES LLC.
1970年のアメリカ・ニューイングランドで、学校の寮に残った3人がクリスマスと新年を過ごしていく中で絆が生まれる『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』が6月21日(金)より全国の劇場で公開される。
物語の舞台は、1970年のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿学校。生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている教師ポールは誇大視し、クリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることに。そんなポールと、母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることになった学生アンガス、寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見る一方で、自分の息子をベトナム戦争で亡くしたメアリーという、それぞれ立場も異なり、一見すると共通点のない3人が、2週間のクリスマス休暇を疑似家族のように過ごすことになる。
本作では、『ファミリー・ツリー』『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』の名匠アレクサンダー・ペイン監督が、『サイドウェイ』でもタッグを組んだポール・ジアマッティを主演に迎えて描いた。ポール・ジアマッティが教師ポール役を務め、メアリー役を『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』『ラスティン: ワシントンの「あの日」を作った男』のダバイン・ジョイ・ランドルフ、アンガス役を新人のドミニク・セッサが担当。脚本はテレビシリーズ「23号室の小悪魔」「ママと恋に落ちるまで」などに携わってきたデビッド・ヘミングソン。第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされ、ダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した。
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映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は、6月21日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。
1970年、アメリカのマサチューセッツ州にある寄宿制の名門私立高校では、クリスマス休暇となれば、たいていの生徒は家に帰り、思い思いに家族と過ごしていく。だが、母親の再婚によって居心地が悪くなり学校に残ることにした生徒アンガスがいた。また、学校や生徒に疎まれている古代史を教える非常勤教師ポールがおり、居残り組の生徒の面倒を見ることに。そして、ベトナム戦争によって息子を亡くし身近な家族がいなくなってしまった料理長の女性メアリーがいた。決して学校に残りたかったわけではないけれど、やんごとなき事情によって残ってしまった3人が次第に寄り添っていき時間を共にしていく姿を、フィルムで撮ったようなシーンを以て映し出され、次第に愛おしくなってしまう。3人それぞれが簡単には言い出すことが出来ない思いを抱えており、少しづつ心を開きながら、打ち明けていく。その思いを実現させるべく、思い切った行動に舵を切っていく姿はなんとも微笑ましい。とはいえ、思い切った行動をとれば、当然リスクは生じる。最終的にポールが成し得た選択肢には如何ともし難くあるが、アンガスにとってポールがかけがえのない存在となり、温かく包み込まれるような読後感のある一作として出来上がっていた。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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