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元映画監督と、謎の失踪を遂げたかつての人気俳優の記憶をめぐるヒューマンミステリー『瞳をとじて』がいよいよ劇場公開!

2024年2月5日

©2023 La Mirada del Adios A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.

 

映画の撮影中に主演俳優が失踪してから22年後、人気俳優失踪事件の証言者だった監督である親友が、彼と過ごした青春時代を思い出し、自らの半生を辿る『瞳をとじて』が2月9日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『瞳をとじて』は、元映画監督と失踪した人気俳優の記憶をめぐって繰り広げられる物語を描いたヒューマンミステリー。映画監督ミゲルがメガホンをとる映画「別れのまなざし」の撮影中に、主演俳優フリオ・アレナスが突然の失踪を遂げた。それから22年が過ぎたある日、ミゲルのもとに、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うテレビ番組から出演依頼が舞い込む。取材への協力を決めたミゲルは、親友でもあったフリオと過ごした青春時代や自らの半生を追想していく。そして番組終了後、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が寄せられ…

 

本作では、『ミツバチのささやき』等で知られるスペインの巨匠ビクトル・エリセが31年ぶりに長編映画のメガホンをとり、『コンペティション』のマノロ・ソロが映画監督ミゲル、『ロスト・ボディ』のホセ・コロナドが失踪した俳優フリオを演じ、『ミツバチのささやき』で当時5歳にして主演を務めたアナ・トレントがフリオの娘アナ役で出演した。

 

©2023 La Mirada del Adios A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.

 

映画『瞳をとじて』は、2月2日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマや難波のTOHOシネマズなんば、京都・烏丸の京都シネマ、神戸・三宮のシネ・リーブル神戸等で公開。

寡作で知られるビクトル・エリセ監督の31年ぶりにつくられた長編映画である本作。監督が映画に対して長年抱いていた思いを集結させたような高尚な作品であるように感じた。現実の世界では、映画を取り巻く環境は絶えず変化していく中で、映画が持つ本質的なものは何も変わっていない、と伝えているかのようだ。それゆえに、本作の主人公である元映画監督は、失踪した主演俳優を探してみることにしたのではないか、と捉えてしまう。最初は、親友でもあった主演俳優を探すミステリーを観ているかのような気分だったが、どこに向かっているのか分からなくなった。ある種のロードムービーを見せられているかのような気分だった。だが、突然にもかつての親友が見つかってしまう。そこからは、映画監督だった半生に思いを巡らせていくヒューマンドラマとして作り上がっていく。最終的には、ビクトル・エリセ監督作品の集大成だと思える仕上がりになっており、169分の長尺が必要であったんだろうな、と思わずにはいられない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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