殺人の一部始終を収めたビデオに映る“何か”を追う韓国発のモキュメンタリーホラー『トンソン荘事件の記録』がいよいよ劇場公開!
©2020 KT ALPHA Co., Ltd., BALPO PLAN INC. & BROTHER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED
韓国の検察庁が30年間保管していた、1992年に釜山の旅館で起きた殺人事件の一部始終を映した映像が、2019年に寺に放置された車の中から見つけられ、取材班が問題の映像を調査していく過程を描く『トンソン荘事件の記録』が10月27日(金)より全国の劇場で公開される。
映画『トンソン荘事件の記録』は、猟奇殺人事件の一部始終を記録したビデオに映った“あるもの”を追って取材班が調査する姿をフェイクドキュメンタリー形式で描き、韓国でスマッシュヒットを記録したホラー映画。1992年、釜山の旅館・トンソン荘で殺人事件が起きた。旅館でアルバイトする男が恋人を連れ込んで隠しカメラで部屋の様子を撮影していたが、男はその部屋で恋人を殺害してしまったのだ。逮捕された男は心神耗弱による無罪を主張したものの無期懲役の判決を受け、仮釈放の1年前に自ら命を絶った。男が撮影した犯行時の映像はその残虐性から検察庁によって封印されたが、検事たちの間では、部屋の鏡に正体不明の何かが映り込んでいると話題になっていた。真相解明に乗り出した取材班は、その過程を記録映画として撮影しながら調査を進めていくが…
本作では、2015年にチュウォン主演の『あいつだ』を手がけたユン・ジュンヒョンが監督を務め、ソ・ヒョヌ、チョ・ミンギョンが名を連ね出演している。
©2020 KT ALPHA Co., Ltd., BALPO PLAN INC. & BROTHER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED
映画『トンソン荘事件の記録』は、10月27日(金)より全国の劇場で公開。関西では、10月27日(金)より大阪・心斎橋のシネマート心斎橋や神戸・三宮のシネ・リーブル神戸、11月10日(金)より京都・烏丸御池のアップリンク京都で公開。
予めフェイクドキュメンタリーであることは分かっていたとしても、本作における映像表現や質感にはリアリティがあり、どっしりとした怖さが伝わってくるホラー映画と云っても差し支えない作品だ。日本でも、心霊スポットを追いかけた作品がたくさん製作されているが、あれと何ら変わらない怖さがあり、ゾッとするシーンがしっかりとあった。日本の作品との大きな違いを挙げるとするならば、『哭声/コクソン』でも観ることが出来た祈禱師のパフォーマンスだ。劇映画にはないリアリティがあった。本作は、あくまで殺人事件の一部始終が収められたビデオに映った“あるもの”を追っていく内容ではあるのだが、”物語”が一体どこに向かおうとしているのか読めずに観客を連れ回していく。まさに、これこそホラー映画である。一体、何が映っていたのか、フェイクドキュメンタリーであれど、しっかりと観て確認しておきたい一作だ。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
- 最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!