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記憶を失いつつある老人と、彼の復讐計画に翻弄されていく青年の追走劇を描く『復讐の記憶』がいよいよ劇場公開!

2023年8月29日

©2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & MOONLIGHT FILM ALL RIGHTS RESERVED.

 

家族の復讐を成し遂げようとする男と、男に雇われた運転手の若者を描く『復讐の記憶』が9月1日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『復讐の記憶』は、家族を殺された老人と、老人の60年越しの復讐計画に翻弄される若者の姿を描いたドラマ。アルツハイマー病を発症した80代の老人ピルジュは、家族全員を理不尽な出来事で亡くして以来、家族を死に至らしめた裏切り者への復讐を心に秘めながら生きてきた。認知症で自分の記憶が長くは続かないと悟ったピルジュは60年間計画していた復讐殺人を実行するため、バイト先で知り合った20代のインギュに1週間だけ車の運転を依頼する。ピルジュの計画を何も知らされていないインギュは犯行現場近くの監視カメラに映り込んだことから第一容疑者にされてしまい、ピルジュとの追走劇に巻き込まれてしまう。

 

本作では、『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』のイ・ソンミンと韓国版『ジョゼと虎と魚たち』のナム・ジュヒョクが初共演を果たし、ピルジュ役をイ・ソンミン、インギュ役をナム・ジュヒョクがそれぞれ演じる。監督は『華麗なるリベンジ』のイ・イルヒョンが務めた。

 

©2022 ACEMAKER MOVIEWORKS & MOONLIGHT FILM ALL RIGHTS RESERVED.

 

映画『復讐の記憶』は、9月1日(金)より全国の劇場で公開。関西では、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋、京都・烏丸御池のアップリンク京都、神戸・元町の元町映画館で公開。

復讐という重く暗いテーマだが、仇たちを順番に追い詰めていく物語は緊迫感があり、バイト先の若い青年インギュとのお爺さんと孫のようなバディ感は微笑ましくも世代を越えた友情が熱く、とても楽しめる作品だった。

 

遠い昔に奪われた、親兄弟の無念のために、差し違えてでも仇を討つ。固い決意の復讐は、たとえ果たせたとしても何も得るものはない。己の命の終わりもすぐそこに見えている老人ピルジュが、そこまでして復讐をやり遂げようとする、その過去にはいったい何があったのか。そしてこの復讐を実行するのが、どうして60年を経た今になったのか。原題は「리멤버(「リメンバ」=”Remember”のハングル表記)」。薄れゆく記憶の中でピルジュが忘れなかった、悲しく悔やむべき出来事とは。クライマックスで語られるその思い出はあまりにも傷ましい。

 

韓国が日本の占領下だった時代が深く関わるストーリーで、太平洋戦争中の日本による暴虐な朝鮮統治と日本軍の蛮行の描写には、後世を生きる日本人として観ていてつらい部分もあるが、これこそ「忘れられてはいけない」歴史に基づくものだということを、心の片隅に置いて観ていただきたい。

 

なお、本作は、アトム・エゴヤン監督による『手紙は憶えている』の韓国版リメイクだ。見応えある秀作だったが、エッセンスを生かしつつ、今作は全くの新しい物語として完成されている。80代の老人ピルジュを演じた主演のイ・ソンミンの実年齢をご存じない方は、これも公式サイトに掲載されているので映画を観終わってから確認してみてほしい。老齢の男を演じきったその実力に驚くはずだ。

 

fromNZ2.0@エヌゼット

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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