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僕達が表舞台に立てているのはスタッフさんのおかげ…『バラシファイト』小澤雄太さん、寺坂頼我さん、浅野寛介さん、開沼豊監督を迎え舞台挨拶開催!

2023年8月5日

打ち上げに意味を見出せない舞台監督が、スタッフたちとバラシ作業中にバトルを繰り広げる様を描く『バラシファイト』が全国の劇場で公開中。8月5日(土)には大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマに小澤雄太さん、寺坂頼我さん、浅野寛介さん、開沼豊監督を迎え、舞台挨拶が開催された。

 

映画『バラシファイト』は、舞台公演後に劇場内を原状回復する撤収作業「バラシ」を題材に、裏方の人々が打ち上げ参加権をめぐって繰り広げるバトルを描いたアクションコメディ。若手舞台監督の巴川健一は、終演後の打ち上げに参加する意味を見いだせず悩んでいた。そんな中、巴川の師匠でもある伝説の舞台監督・奈須宗二が始めたと言われる、裏方スタッフたちによる打ち上げ参加権をかけた「バラシファイト」が舞台裏で幕を開ける。
『記憶にございません!』の小澤雄太さんが巴川役で主演を務め、『ウルトラマントリガー エピソードZ』の寺坂頼我さん、『L・DK ひとつ屋根の下、『スキ』がふたつ。』の濱尾咲綺さん、『Eternal of link 未来へ』の石崎なつみさんが共演。放送作家・演出家の開沼豊さんが長編映画初監督と脚本を手がけ、俳優シェイン・コスギがアクション監督を担当した。

 

上映後、浅野寛介さんによる司会の下、小澤雄太さん、寺坂頼我さん、開沼豊監督が登壇。制作時の楽しい雰囲気が伝わってくる舞台挨拶が繰り広げられた。

 

劇場公開から1週間を経た現在、こうかいを迎えた当時の気持ちを8文字で表現することを求められ、小澤さんは「きねんすべきひだ」と回答。寺坂さんは「どきどきはじまた(ー)」、開沼監督は「かつかれえらいす」と苦しみながら答えていく。なお、東京での舞台挨拶では5文字で求められたようで、開沼監督は「かれえらいす」と答えており「毎日食べても飽きない映画ですよ」と説く。

 

各々のキャラクターを演じるにあたり、寺坂さんは「手賀沼君は振り切らないといけない。”うぉー”って向かっていったり、上司の胸ぐらを掴んだりするので、思い切りを撮影前から僕は考えながら…」と思い返す。小澤さんに対して「様々な意味で大先輩。ウルトラとしても先輩」と尊敬を表し「変に躊躇しても『駄目だなコイツ』と思われたら、良くないな。最初から”イケー”と飛び込みましたね」と振り返る。これを受け、小澤さんは「打ち上げに行きたいがために僕の胸ぐらを掴まれて、僕が嫌そうな顔をしている」とシーンを挙げ「監督がモニターを見ながらニヤニヤしていた。(監督から寺坂さんに)『これはね青春群像劇だから。もっといった方がおもしろいから』と言っており、”そうですよねぇ”と思っていました」と打ち明けた。開沼監督は「命がけでやってほしかったんでねぇ」と当時の思いを話し、寺坂さんは「熱量と台詞のギャップが凄いから」と苦笑しながら「(普段は、胸ぐらを)掴みません!」と即否定し「覚悟しながら、いきましたよ」と肩を撫で下ろす。

 

小澤さんは「皆さんにもあることですが、挫折してしまったり、辛くて会社や学校に行きたくない理由はあると思うんです。何もしたくなくなる時は沢山あると思うんです。そこを自分は大事にしていた」と述べ「僕は基本的には無い。根性論で育ってきたタイプなので、どんなことがあっても行く人生を過ごしてきた」と話す。改めて考えてみて「そういう気持ちを大げさに受け取って、自分が演出部として何もしない、という選択肢の気持ちを映画に投影した。何もやる気が起きなくて、何もしたくない。出来ることなら、言われたことだけやって生活している舞台監督を最初に表現したかった」と語り、役に投影した。そこから、作中では、様々な方からの”やる気”を受け取り「舞台監督を全うする」という気持ちを大事にして演じており「演じている時は意識しないが、台本を読んだ時、最初に何を注意してやらなきゃいけないか。まずは、やる気のない自分を探すこと」と受けとめている。そんな小澤さんの姿を見て、寺坂さんは「確かに、ギャップがありました。カメラが回っている時と回っていない時の姿勢が違っていた。回っていない時は、現場を盛り上げて下さり、僕等と積極的に話して下さった。カメラが回ると、何もしたくない人になっている。ギャップが凄いな」と感心していた。

 

開沼監督は「脚本は1人で机に向かって書く。現場での僕は初監督。普段は、舞台の仕事が多いので、目の前で起こる芝居に対して作っている。映画では、目の前でお芝居してもらうと、直ぐにOKを出してしまう」と自身の傾向を掴んでおり「なるべくモニター前で判断することを意識しました。ベテラン俳優はカッコいいから、目の前で観たら、すぐにOKを出してしまう」と独自の手法を試みている。特に、石倉三郎さんを前にすると緊張してしまい「石倉さんにリクエストを出さないといけない時があった。アイテムとしてのレッドブルがあり、CMになってはいけない。CMっぽさの笑いがあり、”見せてるね”というおもしろさになれば良い。レッドブルの見せ方を伝えないといけない。毎回、カメラマンの矢﨑よしかつさんに相談して勇気をもらった」と苦笑いした。

 

自身が経験した苦労について聞かれ、小澤さんは「撮影期間です。台本は140頁で9日間。無茶苦茶なハナシ。試行錯誤しながら作りました。皆様にお見せしたいシーンはもっとあったんですけど、心苦しながら、監督が切って見やすくしていき、ストーリーは分かりやすく伝える。元々、もっとアクションがあったり、もっとジリジリとした舞台の裏側を分かりやすく見せたかったな」という思いもあり「もう1回やりたいな」と続編を期待している。これを受け、開沼監督は「続編をやるためには、良い結果を出さないと…」と煽っていく。寺坂さんは「長い期間、アクションの稽古に参加させて頂いた。僕自身、本格的なアクションの稽古が今まで無かったので毎日刺激的でした。シェイン・コスギさんが指示して、自分なりにやってみた。経験ないので”えぇ!やばい”と言いながらやっていた。大変だったな」と思い出に残っている。そんな姿を見ながら、小澤さんは「そんな風には見えなかった。堂々としていた。アクションもするし、飛び跳ねるし、アクロバットもするし。素晴らしい!」と絶賛。なお、小澤さんも「僕なんか、何も聞かされていないのに、『ここからあそこまで飛べます?』と言われ、アクションの吹き替えの方がいるのかな、と思っていたら『ご自分で、いいっすか』と。『代わりにやる人間がいません』」と言われ、捨て身のアクションに挑んでいる。また、撮影現場での”バラシ”を求められ、開沼監督は「脚本段階では、最初の構想では手賀沼が主人公だった。やる気に満ち溢れた若者の話は一番見やすいんじゃないか。俯瞰で観る巴川がいた。」と告白し、皆を驚かせた。これを受け、小澤さんは寺坂さんに「続編は主演で」と煽り「俺は10日間で怒涛のアクションをやってもらって、最後に出て来て”よくやった”という感じでいいかな」と提案し、おいしい役どころをリクエストする。

 

最後に、開沼監督は「何回観ても色んな角度で楽しめる部分があります。こないだ観た時は笑っただけなのに、今日はグッときたな、という台詞も散りばめられています。もし続編が本当に出来たら最高だな」と期待を込めていく。寺坂さんは「僕自身、一緒に作品を作ってきた小澤さんや監督や皆さんと過ごし、役者としても人としても色んな気づきがあった作品でした。演じている役者だけじゃなく、スタッフさんがいて様々に関わって下さる皆さんがいて様々なエンタメは成り立っているんだな、と改めて実感できました。大切にしていこう、と思えた大事な作品です」と思いを募らせる。そんな寺坂さんの姿を見て、小澤さんは「出来る子!二重丸です!」と絶賛しながら「僕達が出来ることをとにかくコロナ禍の中でやった作品です。僕達が表舞台に立てているのは本当にスタッフさんのおかげだな、と知って頂ける機会になったんじゃないかな。スタッフさん達がいて僕達が表に立つことが出来る感謝の気持ちを全力で込めている作品でもあります。」と伝えると共に「皆が一生懸命に作った作品は、一生懸命さが伝わる。僕達が本気で一生懸命に笑顔を作ろう、皆の未来につなげていこう、と思った作品でもあります。皆さんに今の状況と照らし合わせて頂いて、時代が前を向けるような作品になればいいな」と真摯に話していく。そして「劇場に足を運んで頂いて、この大きなスクリーンで観れる映画館の魅力や、スクリーンの迫力を皆さんに伝えられる。これからの希望につなげられたら、と思って必死にコロナ禍の期間に撮った作品です」と述べ「僕としても、アクションはやらない、と思うぐらいキツいアクションをやってきた作品でもあります。いつ自分が動けなくなるか分からない状況だったり、コロナ禍で撮影が止まってしまったりするリアルな状況下の中で、全員でやり遂げた1個の希望だと思っております。観てくれる人がいないと成り立たないので、多くの人達に宣伝して頂けたら、僕達も感謝の気持ちでいっぱいになりますし、励みになります」と思いを込め、舞台挨拶は締め括られた。

 

映画『バラシファイト』は、全国の劇場で公開中。関西では、大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマで公開中。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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