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40人の中高生とともに作り上げたミュージカル映画『隣人のゆくえ あの夏の歌声』!シアターセブンで1週間限定上映!

2017年8月26日

8月26日(土)より大阪・十三のシアターセブンで、40人の中高生とともに作り上げたミュージカル映画『隣人のゆくえ あの夏の歌声』の上映が開始。公開初日には、柴口勲 監督をはじめ、出演やスタッフとして作品に関わった竹内義晶さん、貞金あすかさん、辻祐佳子さん、正司怜美さん による舞台挨拶が行われた。

 

映画『隣人のゆくえ あの夏の歌声』は、山口県下関在住でサラリーマンをしながら映像制作活動も行っている柴口勲監督が、40人の中高生とともに作り上げたミュージカル映画。戦後70周年を機に製作され、太平洋戦争時の下関空襲で焼け落ちたものの再建された梅光学院を舞台に、下関空襲を記録した写真を取り入れるという条件以外は白紙の状態からスタート。中学1年生から高校2年生までの40人の生徒がワークショップなどを経て、出演や音楽、振り付け、撮影、録音、照明など、あらゆる制作の主体となった。
ある日、忘れ物を取りに学校へ戻ったカンナは、校内に響く歌声に誘われてミュージカル部が練習している部屋にたどり着く。夏休みの間、観客としてミュージカル部に来てほしいと頼まれたカンナは、迷いながらもその部屋へ通うことになるのだが……

上映前に、音楽制作・助監督の竹内義晶さん、出演&助監督の貞金あすかさん、広報・出演の辻祐佳子さん、音楽制作・主演の正司怜美さん、脚本・監督の柴口勲さんが登壇。各々の担当と撮影当時と現在の年齢を言いながら和やかな空気の中で舞台挨拶は開催された。
今作の制作に至った経緯として、竹内さんは「私たちが通っている梅光学院に柴口監督からお手紙が届いた。タイトルは決まっておらず、映画の製作を一緒にしないかという趣旨だった」と説明。これを受け、柴口監督は「他の学校でも撮ったことがあったが、もう一回ゼロから始めたいと思い、梅光学院は雰囲気がありどんな作品になるだろうなと思って尋ねた」と明かす。柴口さんは「シナリオがない状態で、現場に行きワークショップを開催し、その中から物語を作っている。本人らは不安だったみたいだが、趣旨を説明した上で、各々の仕事の詳細を添えて案内してもらった」と話すが、当初は学校側に怪しまれて、配ってもらえず、しばらくしてから配ってもらい、少しずつ集まった。

 
竹内さんは音楽制作と助監督を希望。「音楽科に入っていたので音楽を作ってみたい。助監督がどんな仕事をするのか興味本位で選んでみた。ワークショップを重ね、本番でやりがいのある仕事、やってよかった」と思っている。貞金さんは「ミュージカル部に入っていたので、出演を希望しました」と話す。辻さんは、当時は軽音楽部に入っており、撮影に参加しようと思ったが「周りの友達がやってみたいと言ったから、出演しました。演技する自信がないし、撮影や録音もやったことがないからどうしようと思った。[なんでも]という欄があったので、選択した」と打ち明ける。正司さんは「私も音楽科に所属していたので、音楽制作を希望した」が、主演をやり遂げるに至った。「ミュージカル映画なので、歌を先に作らないと撮影ができない。監督と一緒に歌を作っていたが、出演者を決めるオーディションに出てみないかと監督に言われ、挑戦してみたら、主演になってしまいました」と振り返る。柴口監督は「曲作りを最初にしていたが、ミュージカルなので、脚本に歌が沿っていなければならない。正司さんと僕が全部作曲したが、正司さんの勘が良かった。僕がフレーズやコンセプトを提案すると、すぐに曲のメロディーが出て来る。感覚が研ぎ澄まされており、これはやれるな」と思い、正司さんが主演することになった。[なんでも]を希望した辻さんは録音を担当した。柴口監督は「彼女は軽音楽部で、録音ができるのでは、と思った。彼女が来ると、現場の雰囲気がほんわかとした空気になり、出演者がリラックスするので、出演者の傍に置きたかった」と理由を述べる。

 
撮影現場について、貞金さんは「全てにおいて楽しかった。主演を決めるオーディションでは歌をうたうことになった。焦りながらも頑張って歌い、待ち時間でも皆に見られて視線を浴びた。緊張し怖くて、あの時間は二度と味わいたくないぐらい大変でした」と漏らす。竹内さんは「撮影中、序盤は高校生ならではの雰囲気があり、気持ちが緩い時間もあった。脚本や歌ができ、撮影に近づくにつれ、ある日突然ピシッと変わった日があった。雰囲気が変わった瞬間が好きで、その日から皆の表情が変わり、やればできるんだな」と思った。竹内さんは助監督であることから「監督と1対1で話す機会がたくさんあり、信頼して頂けていれば嬉しい。たくさんの話をしていき、映画を客観視できる立場になれたかな」と感じている。柴口監督は「僕は最初からビシッとしたかったが、中高生は口数は多く、なかなかビシッとしない。竹内君に対しては文句や愚痴なども言いながら、信頼の裏返しとして一番厳しかった」と顧みる。

 

今作の音楽制作について、正司さんは「制作自体は楽しかった。だが、楽譜を書かない問題児がおり、その人のお世話が大変だった」と打ち明ける。それは竹内さんのことだった。「自分も書かせて頂いたが、楽譜を書くのが苦手で、楽曲にまとめるのが大変だった。自分で弾いているメロディーのリズムが変わっており、書けなかった」と竹内さんは心情を吐露する。楽曲は全て揃い、サウンドトラックまで作られた。辻さんは「ジャケットは黒地に『隣人のゆくえ』と1枚ずつ手書きしています。楽曲が映画と一緒に皆さんの心の中に残り、映画を気に入って下さったら、ぜひお手に取って頂けると幸せです」と気持ちを託す。最後に、竹内さんによるピアニカの伴奏と共に劇中に登場する楽曲「はじまりのふたこと」の一節を出演者皆で合唱し、舞台挨拶は締め括られた。


映画『隣人のゆくえ あの夏の歌声』は、8月26日(土)から9月1日(金)まで大阪・十三のシアターセブンで公開。14:15~の上映にて、一般1,500円専門・大学生1,200円シニア1,100円中学生・高校生1,000円小学生以下700円シアターセブン会員1,000円となっている。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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