舞台に出演している俳優にも、お手柔らかに楽しんで頂けたら…『人生の着替えかた』秋沢健太朗さんを迎え舞台挨拶開催!
新たな人生に向かって歩もうとする若者を描いた、3つの短編で構成されたオムニバス映画『人生の着替えかた』が、大阪・十三の第七藝術劇場でも5月28日(土)より公開。初日には、秋沢健太朗さんを迎え、舞台挨拶が開催された。
映画『人生の着替えかた』は、ミュージカル『新テニスの王子様』や舞台『ハイキュー!!』シリーズなど、人気の舞台やミュージカルで活躍する秋沢健太朗さんが主演を務める短編作品を集めたオムニバス。ある事件で指名手配者となった兄と、自分の力ではどうすることもできないことへの怒りや鬱憤を抱えて生きる弟の物語を描いた『MISSING』、オレオレ詐欺集団に関わってしまった2人組が、逃げるための隠れ蓑として出場したミスりんごのコンテストでうっかり優勝してしまう姿を描いたコメディ『ミスりんご』、聴覚障害をもつ青年が日本茶店を営んでいた亡き父の願いに応えようと奮闘する姿を描いた『お茶をつぐ』の3編で構成。いずれも秋沢さんが主演を務め、『MISSING』では中村優一さん、『ミスりんご』ではミュージカル『忍たま乱太郎』シリーズでも秋沢さんと顔を合わせた反橋宗一郎さん、『お茶をつぐ』では映画初出演の木村達成さんがそれぞれ共演。監督は『N号棟』「リトル・サブカル・ウォーズ ヴィレヴァン!の逆襲』の後藤庸介さん、『歯まん』の岡部哲也さん、『花戦さ』『影踏み』『犬部!』など多彩な作品を手がける篠原哲雄さん。
上映後、秋沢健太朗さんが登壇。秋沢さんのファンが駆けつけており「いつも来て下さるお嬢様方がいっぱい」と喜びながら、舞台挨拶が繰り広げられた。
『MISSING』では、プライベートでも仲良くさせて頂いている中村優一さん共演し「『薄桜鬼SSL』でご一緒させて頂いた時から可愛がってもらった。兄弟の役でしたが、普段からお兄ちゃんのように慕っているので、兄のパーソナルヒストリーはあまり必要なく、安心して演じられました」と信頼している。短い時間の中で、様々な出来事が畳みかけるように起こっていくが「僕の中では繫がっていたので、出来上がった作品に納得できました」と満足しており「優一君と時間経過を意識しながら話し合った上で演じていきました」と心配なかった。俯瞰した感想も聞いており「直ぐに事件を起こしていなくなり帰ってきて…となってしまいますね」と冷静に話していく。
『ミスりんご』では、反橋宗一郎さんの演技を気に入っており「普段から仲が良いので、ずっとおもしろかった記憶しかない」と絶賛。「ネタの引き出しがなくなった時の姿、女装して登場する時、最後は蝉になった瞬間があった」と振り返りながらも「やることがなくて何回登場しても無理になり、最後に蝉になってみた。監督はその場で無茶苦茶大笑いして、ガッツリとカットされていました」と明かした。
『お茶をつぐ』では、手話に挑戦している。大阪や京都、前橋や吉祥寺で上映されて舞台挨拶で話しているが「手話が大変だったことを最初は言いたくなかった。その気持ちを擦り減らしていきながら話すようになった」と打ち明け「最終的に、心が通じ合った瞬間に皆で一つの目的を達成しよう、という真意があった」と真摯に話す。
今回の三作について、共通点が食べ物であることを告げられ、驚く秋沢さんは、さらに衣装について話していく。木村達成さんからは「GO HOMEって何?」と聞かれたことがあったが「僕は、E.T. go homeというキャップが好きで愛用しているんですけど、そんなに深い意味はないだろう、貞二に向かって服でアピールしているんだろう」と笑いを交えて説く。また、『ミスりんご』で中に着ているTシャツがノースリーブであることを告げ「走った時に全部見えちゃう。レスラーみたいになってしまう。これはマズいので、両面テープでキッチリ貼った上で走っていたんですよ。OKになったカットは上手い具合にTシャツの雰囲気を出しているカットを使っている」と打ち明けた。なお、既に新作を沖縄で撮影しており「仲の良い兼崎健太郎さんとバディものを作らせて頂いた。撮った後は3Kg太っていた。沖縄のソーキそばを4杯も食べ過ぎた」と告白する。
最後に、秋沢さんは「僕は普段は舞台をやっているんですが、舞台俳優が出ている映画なのかな、と穿った目でいる方も偶にはいますが、そこが大事で。僕の中では受けとめているので、斜に構えていないので。是非お手柔らかに楽しんで頂けたら」と伝え、舞台挨拶は締め括られた。
- キネ坊主
- 映画ライター
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