長年密かに愛し合ってきた2人の女性の姿を描く『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』が関西の劇場でもいよいよ公開!
(C)PAPRIKA FILMS / TARANTULA / ARTEMIS PRODUCTIONS – 2019
向かいあったアパルトマンに住むふたりの女性の密かな関係を描きだす『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』が4月15日(金)より関西の劇場でも公開される。
映画『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』は、長年密かに愛を育んできた2人の女性が社会の障壁の中で闘う姿をサスペンスフルに描いたドラマ。南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマン。最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナとマドレーヌは世間的には仲の良い隣人だが、実際は長年愛し合う恋人同士だった。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立、家族との思い出の品に囲まれながら穏やかに過ごしている。2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を立てていたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられずにいた。そんな中、マドレーヌを悲劇が襲い、2人は選択を迫られる。
本作では、『ハンナ・アーレント』のバルバラ・スコバが主演を務め、共演は、フランスの名門国立劇場コメディ・フランセーズの団員でもあるベテラン女優マルティーヌ・シュバリエ、『ジュリアン』のレア・ドリュッケール。監督は本作が長編デビューとなる新鋭フィリッポ・メネゲッティ。2021年の第46回セザール賞で新人監督賞を受賞した。
(C)PAPRIKA FILMS / TARANTULA / ARTEMIS PRODUCTIONS – 2019
映画『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』は、関西の劇場では、4月15日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田、4月22日(金)より京都・烏丸の京都シネマと神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。
長年密かに愛を育んできた2人の女性、マドレーヌとニナ。マドレーヌは、不幸な結婚の末に夫を亡くしたが、子供達も独立し家族に愛されながら過ごしている。ニナは、マドレーヌの向かいに住みながら、共に過ごしていた。フィリッポ・メネゲッティ監督は、知人から、身寄りがなくなった女性二人がアパルトマンの隣同士に暮らし、助け合っているという話を聞き、老いた女性同士であることと愛し合っている関係を取り入れている。『燃ゆる女の肖像』や『アンモナイトの目覚め』など昨今ではLGBTQ+に関する作品が増えているが、一味違った作品として仕上がっていた。
2人はアパルトマンを売り払い、思い出の地であるローマを終の棲家にすることを願ったが、マドレーヌは大切な家族を目の前にして言い出せない。ニナは思い切って話すことができないマドレーヌを追い込んでしまう。マドレーヌは思い悩んだ末の結果、辛い境遇に。ニナは長年育んできた愛情を以て寄り添いたいだけなのに、周囲は許さなかった。2人の関係を知らないのならば、厄介者にしか見えない。されど、最終的に2人が選んだ結果は本当に彼女達にとって幸せなことだっただろうか。観る者の立場によって様々に受け止め方が異なってくるだろう。社会の障壁や既成概念について考えさせられる大事な作品である。
- キネ坊主
- 映画ライター
- 映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
- 現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
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