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北欧フィンランドで暮らす少女が見つけた卵から生まれた“それ”が、幸福な家族の仮面を剥ぎ取っていく『ハッチング—孵化—』がいよいよ劇場公開!

2022年4月12日

(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast

 

母親を喜ばせるために自らを抑圧する少女が、森で見つけた奇妙な卵を孵化させたことで、幸せな家庭を崩壊させていく様を描く『ハッチング—孵化—』が4月15日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『ハッチング—孵化—』は、長女が見つけた謎の卵の孵化をきっかけに起こる恐ろしい事件により、家族の真の姿が浮き彫りになっていく様を描いたフィンランド製ホラー。北欧フィンランドで家族と暮らす12歳の少女ティンヤ。完璧で幸せな家族の動画を世界へ発信することに夢中な母親を喜ばすため、すべてを我慢し自分を抑えるようになった彼女は、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。ティンヤが家族には内緒で、自分のベッドで温め続けた卵は、やがて大きくなり、遂には孵化する。卵から生まれた「それ」は、幸福に見える家族の仮面を剥ぎ取っていく。

 

本作で監督を務めたのは、世界の映画祭で短編作品が高い評価を受け、今回が長編デビューとなる新鋭女性監督ハンナ・ベルイホルム。シーリ・ソラリンナ、ソフィア・ヘイッキラ、ヤニ・ヴォラネン、レイノ・ノルディンらが出演した。

 

(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast

 

映画『ハッチング—孵化—』は、4月15日(金)より全国の劇場で公開。関西では、4月15日(金)より大阪・梅田のシネ・リーブル梅田や心斎橋のシネマート心斎橋や京都・烏丸御池のアップリンク京都、4月22日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

世界幸福度ランキングで5年連続1位のフィンランド。一見ごく普通に見える家庭が、世界に対して如何に幸せであるかPRするための動画制作に余念がない母親によって次第におかしくなっていく。作品の冒頭では幸せそうな家族に不穏分子としてカラスが飛び込んでくる。そのカラスの行く末を見てしまうと、この映画が如何にエグい作品であるか予想してしまう。この母親は、どれだけ自分達の家族が幸せであるかPRするためには一切の猶予も許さない。本作の主人公である娘のティンヤが励む新体操で華麗なる演技が出来なければ徹底的に特訓していく。いわば典型的な毒親でもある。自分が家の中でも外でも幸せであることを望むなら不貞なことも厭わない。結局は家族の気持ちを全く思いやれない人物である。

 

そんな母親の下で暮らしていたティンヤ。ある時、森で奇妙な卵を見つけてしまう。どんな生物が産んだ卵であるか定かではない。母親の如く温めて孵化を試みていく。気づけば、ティンヤの感情を察していくかのように卵は大きくなっていた。そして、ある出来事が引き金となって遂に卵の中から「それ」が生まれてしまう。「それ」はまさに得体の知れない生物である。また、この家族の実態を象徴しているかのようでもあった。また、家族の関係性が変化していくと共に「それ」も変化していく。本作を最後まで観終えると、如何にえげつない作品であるか思い知った。”戦慄の北欧イノセントホラー”というキャッチコピーもあるが、大人のためのおとぎ話であることを十分にお伝えしたい。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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