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職を失い、夫との不和を抱える1人の女性の姿を描く社会派ドラマ『赤ザクロ』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映!

2022年3月15日

職を失い、夫との不和を抱える1人の女性を主人公にした社会派ドラマ『赤ザクロ』が第17回大阪アジアン映画祭のコンペティション部門で日本初上映された。

 

映画『赤ザクロ』…38歳の女性アナールは結婚した夫マラットと共に、都会から渓谷沿いの田舎町に越してくる。アナールは妊娠しており、出産の不安を抱えながら、夫に職が見つかるのか案じている。パソコンが壊れて自身も仕事できなくなり、職探しに出た夫の連絡が途絶えたところで、彼の連れ子の少年が性的虐待に遭い…

 

本作は、『マリアム』が2020年のヴズール国際アジア映画祭で最高賞に輝き、ロンドン開催のレインボー映画祭において最優秀女性監督賞を受賞した、カザフスタンのシャリパ・ウラズバエヴァの監督第2作である。

 

映画『赤ザクロ』は、3月17日(木)10:40よりABCホールでも上映。

カザフスタンで実際に起きた男の子への性的虐待事件に端を発して制作された本作。カザフスタンにおいても男性社会が色濃く存在しており、女性への性的虐待が明るみに出ないようにされていた。だが、男の子が被害を受けたことにより、社会へ大きく影響を与えたことが、何かと考えさせられる。本作においても、男性は事勿れ主義を貫こうとしていた。お金に関するトラブルについて女性に口を出させないようにしている。自分の息子が性的虐待の加害者であるならば、訴えを取り下げようと動いていく。母親がアクションを起こそうとするならば、父親にとっては辱しめを受けているようにしか感じられない。権力とプライドだけは守ろうとして、大事な人間の気持ちを重んじなければ、同じような悲劇は再び起こってしまう。宗教的表現やメタファーに様々な気づきがあり、彼等の行く末を案じさせる意義深い作品であった。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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