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映画館存続のため東京からやって来た若い女性が奔走する姿を描く『浜の朝日の嘘つきどもと』がいよいよ劇場公開!

2021年9月7日

(C)2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会

 

閉館予定の映画館を何とか存続させようとする女性と複雑な思いを抱く映画館支配人を中心にした物語が展開する『浜の朝日の嘘つきどもと』が9月10日(金)より全国の劇場で公開される。

 

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、福島県南相馬に実在する映画館を舞台に、映画館の存続に奔走する女性の姿を描いた作品。100年近くの間、地元住民の思い出を数多く育んできた福島県に実在する映画館である朝日座。しかし、シネコン全盛の時代の流れには逆らえず、支配人の森田保造はサイレント映画をスクリーンに流しながら、ついに決意を固める。森田が一斗缶に放り込んだ35ミリフィルムに火を着けた瞬間、若い女性がその火に水をかけた。茂木莉子と名乗るその女性は、経営が傾いた朝日座を立て直すため、東京からやってきたという。しかし、朝日座はすでに閉館が決まっており、打つ手がない森田も閉館の意向を変えるつもりはないという…

 

本作は、タナダユキ監督のオリジナル脚本を高畑充希さん主演で映画化。主人公の莉子役を高畑さんが演じるほか、大久保佳代子さん、柳家喬太郎さんらが顔をそろえる。本作と同じタナダユキ監督と高畑充希さん主演で、福島中央テレビ開局50周年記念作品として2020年10月に放送された同タイトルのテレビドラマ版の前日譚にあたる。

 

(C)2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会

 

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』は、9月10日(金)より全国の劇場で公開。関西では、9月10日(金)より大阪・梅田のテアトル梅田や心斎橋のイオンシネマシアタス心斎橋や京都・烏丸の京都シネマ、9月17日(金)より神戸・三宮のシネ・リーブル神戸で公開。

1960年前後の映画業界最盛期、いわゆる”まちの映画館”がいくつもあった。だが映画業界の変遷に伴って映画館も次々に閉館。今やシネコンとミニシアターが頑張っている。存続している”まちの映画館”は、ロードショー劇場にならずとも上映会企画等もしながら建物を維持している場所もある。本作の舞台となった映画館「朝日座」は、現在では、まちの憩いの場として存続し続けており、本作の舞台となったことは喜ばしいことではないだろうか。

 

本作の物語では、2020年のコロナ禍を迎え、とうとう閉館しようとしている朝日座の存続に奔走する女性の姿を描いていく。昨年4月以降、全国のミニシアターに関する動向は記憶に新しく、語られていく台詞を聞くたびに目頭が熱くなってしまった。だが、本作はそれだけの物語だけではない。高畑充希さん演じる”茂木莉子”が歩んできた人生が耐え難くも、手を差し伸べてくれた大久保佳代子さん演じる数学教師の田中茉莉子が映画を以て救っていく物語が映画愛に満ちていた。生徒と教師の境界を越えた先にある物語を大切に描いており、愛おしくなってしまう。こんな先生の為なら、何が何でも映画館を救いたくなってしまうな。世に知られていなくとも、現存する映画館それぞれに物語があり、早々簡単に映画館はなくならないだろう。お客さんに愛され続けている映画館で本作が上映されることを願ってやまない。

キネ坊主
映画ライター
映画館で年間500本以上の作品を鑑賞する映画ライター。
現在はオウンドメディア「キネ坊主」を中心に執筆。
最新のイベントレポート、インタビュー、コラム、ニュースなど、映画に関する多彩なコンテンツをお伝えします!

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